
オーストラリア証券取引所(ASX)に上場しているシンガポールのロジスティクステック企業 Yojee は、一部株式割当で300万豪ドル(235万米ドル)を調達した。Yojee は、全額払込済普通株式4,300万株を0.075豪ドル(0.06米ドル)で発行する。
新たに調達した資金は、技術開発のほか、販売・マーケティングの取り組み強化に活用される予定。
2010年に設立された Yojee のコラボレーティブな越境プラットフォームは、荷主、運送企業、フレイトフォワーダーなどロジスティクスチェーン内にいる様々なステークホルダーを統合し、配送ルートやオペレーションを最適化することができる。
このプロセスは、近接性、車両積載容量、ドライバーの生産能力、道路状況などリアルタイムのデータと履歴データをマシンラーニングとルート最適化アルゴリズムに送り込むことによってなされる。企業は、データアナリティクスのダッシュボードを使ってこれらのデータを可視化できる。
Yojee は、このシステムを活用することでロジスティクス企業が有するオペレーションとカスタマーサービスのマンパワーを70%削減する手助けをしたいとしている。サンプルモデルの運用では、業務を完了させるのに必要な車両の台数を23%削減でき、配送距離の増加はわずか2.14%だった。
Yojee によると、同社は1.8秒で12億5,000万業務の可能性を分析して、最適な経路の発見と車両への業務の割り当てをリアルタイムで行うという。
Yojee には、「Yojee AI」という Uber 的な機能もある。これは基本的に、業務のリクエストを多くのドライバーに送り、ドライバーはこれを受ける、もしくは拒否することができる機能だ。顧客企業は送信間隔と、1回送信あたりのドライバー数をカスタマイズできる。
さらに同社には、一体となった企業ネットワークの一部として企業間で業務を発注できる「Control Tower」というコラボレーションツールもある。
Yojee の広報担当は e27に次のように語った。
Yojee にとっての次のステップは、「Internet of Shipping TM(インターネット・オブ・シッピングによる輸送管理)」を構築することです。Yojee は、ブロックチェーン対応のエンドツーエンド IoT ソリューションでロジスティクス業界に革命を起こし、インターネット・オブ・シッピングを作ります。
Yojee は、企業間のコラボレーションを可能にします。モバイルアプリで発送から到着まで荷物の状況を追跡し、リアルタイムの可視性をもたらします。請求と支払いは安全な方法でなされます。例えば、即座にシェアが可能なデジタル請求書やスケジューリングのできる決済などを考えてみてください。
東南アジアでは e コマースが着実にトラクションを獲得しつつある中、配送効率向上の必要性はますます重要になっている。先月シンガポールでローンチされた Amazon Prime は、2時間刻みの配達枠で競合他社に脅威を与えている。Yojee や、Versafleet など他のロジスティクステック企業がこれと同じサービスを e コマース企業に提供できるのであれば、競争の土俵はさらに同レベルなものになるかもしれない。
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待