
Kickstarter 共同創業者兼 CEO の Yancey Strickler 氏が、クラウドファンディング大手の同社を今年後半に辞任すると発表した。同社は後任を探している。
Strickler 氏は Kickstarter 設立者の一人であり、2014年初頭に元 CEO の Perry Chen氏の後を継いだ。もう一人の設立者は2013年に退職したデザイナーの Charles Adler 氏だ。Strickler 氏は CEO になる以前、コミュニティサポート、エバンジェリスト、チームビルダーなど様々なポジションを渡り歩いてきた。

Strickler 氏はブログでこうコメントしている。
私が CEO に就任した2014年以来、当社はいくつもの飛躍的成果を挙げてきました。プロジェクトに寄せられる金額を3倍にし、16ヶ国で Kickstarter をローンチし、様々なレベルの卓越したリーダーのチームを築いています。
私たちは今、次なる大きなステージへと押し上げてくれる人物を探しています。
2009年にニューヨークで設立された Kickstarter は、クラウドファンディングの申し子として存在感を強めてきた。無数のプロジェクトには合計30億米ドルの資金が集まり、一例としては現在お蔵入りとなったスマートウォッチの「Pebble」などがある。Kickstarter を介して多くの製品が市場にもたらされた。今週初め(7月第5週)には、Kickstarter のプロジェクトで資金を獲得した個人のクリエイターが10万人に達し、同社は新たなマイルストーンを達成した。
Kickstarter には、Union Square Ventures、Jack Dorsey 氏、Chris Sacca 氏、Zach Klein 氏など有名な投資家が名を連ねるが、外部からの資金調達額についてはこれまで明らかにしていない。同社は2015年、公益法人に変格し、会社の憲章に倫理規定を盛り込んだ。これにより、単に株主の利益を最優先するのではなく、会社の利益を追求しながらも幅広い社会貢献ができるようになる。
Strickler 氏は辞任の理由を述べていない。3人の共同設立者が辞任しているため(N.B. Chen 氏は会長に留まっているが)、現状の組織の健全性はもとより、将来の方向性も幾分疑問視される。
将来についての疑念を払拭するかのように、Strickler 氏は次のようにコメントしている。
2017年には8年連続となる利益を上げることになるでしょう。現在素晴らしいことに取り組んでいる最中です。Kickstarter の CEO を務めることは、クリエイティブなプロジェクトに深く関わっている人、利益至上主義に疑問を抱いている人、そして長期的な視点でビジネスを成功させるという挑戦に興奮を抑えられない人にとって、まるで夢のような経験です。
実際のところ、同じ会社で働き続ける期間として9年は長い。氏は新しく挑戦する分野を探しているだけなのかもしれない。将来は「いくつかの新しいプロジェクトに取りかかる」つもりだとしている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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