AI搭載営業支援ツール「Senses」のマツリカが、Draper Nexus、アーキタイプ、ニッセイCから1.3億円を調達——中規模企業向けプランを開発へ

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AI 搭載営業支援ツール(SFA)「Senses(センシーズ)」を開発するマツリカは21日、直近のラウンドで約1.3億円を資金調達したことを明らかにした。このラウンドは Draper Nexus Ventures がリードインドベスターを務め、アーキタイプベンチャーズニッセイ・キャピタルが参加した。Draper Nexus Ventures とアーキタイプベンチャーズは、マツリカが2016年4月に実施した約5,000万円のシードラウンドにも参加しており、フォローオンの投資となる。ニッセイ・キャピタルにとっては、今回が初めてのマツリカへの出資となる。

マツリカは今回のラウンドステージを明らかにしていないが、関係者によれば、シリーズ A ラウンドでは無いとのことなので、プレシリーズ A ラウンド周辺であることが推測できる。今回の調達に伴い、Draper Nexus Ventures のマネージングディレクターである倉林陽氏がマツリカの社外取締役に就任する。マツリカでは調達した資金を用いてサービス開発とマーケティングを強化、「Senses」の中規模企業向け「Growth プラン」の開発に注力し、同プランの年内販売開始を目指す。

マツリカは2015年4月、ニュースアプリ大手ユーザベース出身の黒佐英司氏が設立。「管理者のための SFA ではなく、現場の営業担当者の負担を軽減する SFA」をキーワードに、人工知能でアクションをレコメンドしてくれる Senses を開発している。2015年10月に Senses クローズド版、2016年1月に正式版を公開、主に従業員10人以上100人以下規模の中小企業やスタートアップをターゲットに、サービスを提供してきた。

マツリカはサービス開始当初、2016年中に100社、2017年に500社というユーザ獲得目標を掲げていた。同社は現在のユーザ数を明らかにしていないが、ユーザの増加に伴い、リンクアンドモチベーション、資生堂、PR Times、3ミニッツなど比較的規模の大きな企業からの利用も増えてきたのだという。今回の「Growth プラン」の発表は、そのような状況を考慮した上での新しい成長戦略と言えるだろう。Growth プランは、現在提供中の「スタータープラン」に加え、管理・連携機能が強化されており、AIでのデータ解析、代理店・パートナーの管理、外部サービスとの連携などが利用できる予定だ。

Senses は今年に入り BI ツールとの連携を積極化させている。4月にはグループウェアのサイボウズ・ガルーン、5月には名刺管理の Sansan と連携、7月には外出先でも営業情報の確認や活動履歴の入力ができる iOS アプリをリリースした。Senses の活用により資料作成や報告業務が効率化され、営業担当者1人当たりの業務時間を最大で10%(20時間/月)削減可能であることが評価され、経済産業省の生産性向上IT導入支援補助金の対象ツールに認定されている。

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