開始半日で5000人が使った「polca(ポルカ)」、フレンドファンディングの企画は2500件に

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Twitterを中心に大きな反響を呼んだフレンドファンディング「polca(ポルカ)」の初速が判明した。

本誌取材にCAMPFIREが回答してくれたもので、8月10日の12時に開始したpolcaは深夜0時時点(12時間経過)でユーザー数約5000人、立ち上げたプロジェクトとなる企画数が2500件を突破したそうだ。ここで言うユーザー(アカウント)数はそのままアプリ利用者となるのでダウンロード数とほぼ同じと考えていい。

CAMPFIREがこれまで実施してきた通常のクラウドファンディングプロジェクトは、8月10日時点でプロジェクト件数が8000件、支援者数は累計で約28万人、流通金額は29億円となっている。創業の2011年1月から約6年半かかって積み上げた数字だ。単純な比較対象としては問題あるが、それでも国内で「クラウドファンディング」という文化に貢献してきた結果が今回の初速に出たと考えるべきだろう。

ではこの数字からどれほどのインパクトが生まれるのか?

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polcaはリリース時に書いた記事の通り、URLを知る人のみでコミュニケーションする「内輪向け」のサービス設計になっていた。しかし蓋を開けてみると、Twitterのトレンドに「polca」の文字がずっとランクインするなど、ユーザーは幅広く自分のフォロワーに対して支援アピールを繰り広げることになった。ちなみに肌感覚ではあるが、facebookよりもTwitterの方が相互での友人承認よりもゆるい広がりがある非対称フォローのためpolcaの拡散には向いてる気がした。

そこで見つけた企画に入ってみると、多くの企画は0円だったり数百円が集まっているだけの状態だったが、ある程度のフォロワーを得ているようなユーザー(特にブロガーやVALUなどである程度認知があるような方)はウォッチした(URLを踏んで足あとをつけた)人の半数程度が実際に支援していた。友人同士の企画であれば支援率はもちろんもっと高くなる。

実際の支援金や支援数は開示してもらえなかったので完全に予想だが、企画数の約4割から最大で半数近くは支援し、単価についても300円から1000円未満の数字がよく動いていたので、500円程度の平均値になりそうな印象だ。そこから計算すると半日で2500件の企画の内、4割程度の1000件に平均500円の支援が集まったとして約50万円。月次換算(30日)で約1500万円となる。

5000人で1500万円の月次流通なので、例えば100万人が利用すれば30億円、1000万人だと300億円となる。ちなみに彼らがベンチマークのひとつとしている米Paypal傘下の個人間支払いアプリ「Venmo」は2016年12月に月間流通総額20億ドル(100円換算で2000億円)を超えている。

※見て回ったサンプル数が50件程度なのと、Twitter等で公開されていないURL(つまりは完全なる内輪の集金)は元々確認のしようがないのでその部分は大いに割り引いて欲しい。

CAMPFIRE側と取材でチャットしてる雰囲気から、今回の初速数字についても手応えは感じているようだ。ただ、何より私も記事で書いた通り「お金から生まれるコミュニケーション」の部分は、立ち上げの取材時に彼らが望んでいた通りの世界観が広がっていたように思う。polcaは限定URLという手法で不用意な門外漢を自分の企画に入れないよう設計されているので、それを正しく守ればやさしい支援の輪が広がる。一方でここを理解せず、内輪の企画をオープンなインターネットでばら撒くと「クレクレ乞食」に見なされてしまう。

そもそも家入一真氏はここ数年、ずっとこの「どうやったら個人が心地よいインターネットを体験できるのか」という実験をしてきていたように思う。例えばこんなのとか、今から思えば全てpolcaの前哨戦だった…わけはないな。

家入一真氏「あなたのために1日何もしない」権利販売、アンチ家入ダッツカムを突如開始【追記あり】

さておき、今回、polcaが取った「個人のソーシャル上での評価」+足あとURL(リンクを踏むとウォッチ状態になる)というアイデアはワークしていたように思う。恐らく、オープンに企画をばら撒いているユーザーはそれだけでは誰も支援してくれないという現実に気がつき、自分のソーシャル上での影響力を考え直すか、本当に支援してくれる人がどこにいるか探し出すだろう。もちろん、割り勘みたいな内輪の使い方は個人的にも便利だったのでまた利用したい。

企画への支援額が中途半端な場合の不履行(※)や、リターン自体をどうやって送付するのかイマイチわからない(プロフィール情報が少なすぎる)、自分が支援した企画がどこにあるのかわかりにくい、設定したOGPが違う人の写真になっている等々の不具合はまだまだあるが、これらが改善されるのも時間の問題だろう。

次の成長が届いたらまたお伝えしたい。

※追記:例えばスマホの修理したいという企画に3万円必要なのに600円しか集まらず実行ができなかった場合、現状で支援金は企画を終了しないと企画立案者のアカウント残高には渡らないようになっているが、強制的に終了させることもできる。元々は知った顔だけで集金する前提なのでそれでもコミュニケーションが取れれば問題ないが、Twitter経由などで見知らぬ場合はリターンが不履行、もしくは別のものに変わる可能性がある。

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