交通アプリ「Citymapper」、ロンドンで初の商用バスサービスをローンチ

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(上)Citymapper バス

相も変わらず人気がある都市交通アプリの Citymapper は、初の商用バスサービスをローンチして、ハードウェアの領域での取り組みを強化している。

ロンドンを拠点とする同社は5月、ロンドンで自社のスマートバスの運行と交通サービスの試験を開始し、市内中心部を限定的ながら巡回させた。既存のバスと同じように、Citymapper の緑色をしたブランドのバスも予め決められたルートを走行し、乗客がバス停で乗り降りした。

2種類ある車両には、運転手、ブザー、車輪など標準的なバスに特有の装備を備える一方で、乗客に走行地点をリアルタイムで知らせる大型画面などスマートなテクノロジーがあるのが特徴だ。乗客は、備え付けの
USB 対応充電ポートを使って手持ちのデバイスを充電することもできる。

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(上)Citymapper バス車内の大型画面
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(上)Citymapper バス車内の充電ポート

当初の各種取り組みは、まったく実験的なものだった。そして重要なことに、同社は商用運行の免許を取得していなかったため、サービスは無料での提供だった。Citymapper はこのたび承認を受けて、ロンドン交通局(TfL)から全面的に免許を取得し、初の商用バスをローンチする。この路線は CM2と呼ばれるもので、週末の午後9時から翌朝5時まで、東ロンドンにて8月より運行を開始する予定だ。

Citymapper に馴染みのない人のために説明すると、これは基本的には目的地に到達するのに最も効率的なルートを見つけることができるユーザフレンドリーなインターフェースを持つ携帯アプリで、ロンドンでプレゼンスが高まっている。2011年のアプリローンチ以降、Citymapper はニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、東京など多くの都市に上陸し、5,000万米ドルを調達するほどになっている。

Uber と同じく表面上は配車サービスであるが、実際は都市の巨大なモビリティデータが蓄積されているため、Citymapper はユーザがどこを移動しているかチェックし、公共交通サービスが不足しているとみられるエリアを特定することができる。

これこそ、Citymapper が取り組む先の最終到達地点だ。現在のところ、Citymapper は東ロンドンに住む夜型の人たちのために、同社が特定したギャップを埋めているだけだが、より大きな構想としてデータの活用を思い描いている。バスが今どこにいて、どこに向かっているかを示すスマートなディスプレイがあり、リアルタイムで乗客数をカウントするサービスを導入する計画だ。車両にはどれくらいのスペースがあるかを把握し、それを外に知らせることができる。

バスからのライブデータは Citymapper のアプリ内にも表示されるが、同社はこのデータを、公共交通当局が多くの都市で実行しているのと同じ方法でサードパーティーのサービスと共有するとしている。

最近、データは何より重要となっており、世界中にある多くのスマートシティプロジェクトは、一般の人が利用する交通やインフラの改善に向けて概ね似たようなことをしている。Uber はボストンなどの都市と提携して、交通パターンの確立に役立つトリップレベルのデータを提供しているほか、e タクシーからもたらされる GPS データも、新興市場において道路状況の改善のために収集されている。そして中国の e タクシー大手 Didi Chuxing は、道路の渋滞軽減を目的として同社のデータをスマート信号機システムに調和させることができるようにしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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