Draper Associatesがインドネシアに初の出資、消費者金融スタートアップUangTemanの1,200万米ドルの調達ラウンドに参加

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UangTeman の Aidil Zulkifli 氏と Darmawan Zaini 氏

消費者金融のスタートアップである UangTeman は、シリーズ A ラウンドで株式と債券発行により合計1,200万米ドルを調達した。同社が Tech in Asia に明かした。

このラウンドは K2 Venture Capital がリードし、シリコンバレーの投資家 Tim Draper 氏が率いる Draper Associates が参加した。UangTeman によると、Draper Associates がアーリーステージの資金調達でインドネシア企業に直接出資するのは、今回が初めてだという。このファンドが発表されたのは昨年。Draper 氏はベンチャーキャピタル「Wavemaker」の東南アジア向けファンドのパートナーであり、従って間接的ではあるが、東南アジア地域に向けた投資実績はすでにあることになる。

債券による融資は香港のアセットマネジメント会社である STI Financial Group が実施する。UangTeman はこの資金でインドネシア国内の借り手ユーザを開拓したい考えだ。同社は1,200万米ドルのうち株式と債券の比率を明らかにしていない。

UangTeman の共同設立者で CEO を務める Aidil Zulkifli 氏は、今回調達した資金は技術開発にも充当するとしている。

Zulkifli 氏はこう述べる。

私たちは非常に大量のデータを蓄積しているため、データサイエンティストを追加募集しています。

同社はシンガポールとインドに研究開発拠点を開設する計画だという。

優秀な人材をどう確保するかの問題です。インドネシアでは、機械学習やアルゴリズム設計の修士号および博士号を持つ人物が見つからないのです。

第一義的リスク

UangTeman は2015年4月にローンチした。同社は75米ドルから350米ドルとなる短期のマイクロローンを最大30日間まで貸し付けている。

借り手がローンを申し込むには、電話番号や家族構成などを簡単な調査票に記入する。

Zulkifli 氏によると、7月現在、UangTeman は月間75万米ドル相当のローンを融資しているという。ローンの返済ができない債務不履行に陥るユーザはおよそ2%の水準だ。

返済遅滞の割合は5%だが、両方の率ともに低い数字であると氏は捉えている。クレジットヒストリーに傷がつくことのリスクがユーザ間で十分に認識されており、また、同社が効果的な回収手段を用意していることが寄与しているとの分析だ。

同社は債権回収の担当者を雇用して育成しており、遅滞の多くは彼らによって処理される。最終手段としては、社外の回収業者による解決が図られる。銀行の債権回収を担当している業者などもあると Zulkifli 氏は述べる。

同社は2年ほどは手作業でローンを承認してきたが、現在では自動化に向けた十分なデータが集まったとしており、現在インドネシアの14の都市で展開中だ。

UangTeman の融資モデルでは、第一義的なリスクは同社自身が負う。借り手の返済が遅延したり返済が行われなかったりした場合でも、貸し手側ユーザは融資額を回収できる仕組みだ。

この点が同社を差別化している要因であり、Zulkifli 氏はライバル各社の仕組みを通過型プラットフォームと呼んでいる。

貸し手が借り手に直接融資するモデルでは、債務不履行に陥った場合、貸し手が被害を被ることになります。

通過型モデルをインドネシアで展開するスタートアップとして、彼は Modalku、Investree、Crowdo など数社を挙げた。

融資のモデルは様々で、いくつかのスタートアップは UangTeman と比較することが難しいような商品群を用意している。一例として Crowdo では、無担保ローンだけでなく、担保付きローンが存在する。返済が行われなかった場合でも、後者のタイプであれば貸し手は幾らかの資金を回収することができる。

UangTeman は高利で貸し付けており、遅延損害金も高額である。第一義的なリスクを負うことが可能になっているのにはこうした背景があるが、利子の高さは過去にも批判の的になってきた。

しかし、このモデルのおかげで利益率は良好で、早いペースで収益化に向かっているという。資金調達にも良い影響があったと Zulkifli 氏は見ている。今日では UangTeman は正式な業者として認可され、インドネシアの金融当局の監督を受けている。

開花を待ちわびて

Zulkifli 氏は、ローカリゼーションの面で幸先の良いスタートを切ったことで、競合に対して優位に立つことができたと捉えている。

中国でのやり方をそのまま現地に当てはめることはできないと私は考えています。

インドネシアのスタートアップエコシステムには中国からの資金が流入しており、金融サービス分野も例外ではない。一例として、Alibaba の Ant Financial は、現地のメディア複合企業である Emtek とジョイントベンチャーを設立している。

Zulkifli 氏の読みによると、インドネシアのオンライン融資サービスが真に開花するために必要なのは、大衆にリーチできるようなプラットフォームとの連携だ。中国では Tencent や Alibaba などと提携する形で成功している。

Zulkifli 氏はこう述べる。

エコシステムと連携する方法を探りたいと考えています。

現地での提携先の候補として、配車および各種オンデマンドサービスを手がける Go-Jek を例に挙げた。

現状では銀行が若干の抵抗姿勢を見せています。また、特に金融関係のデータを中心として、他企業とのデータ共有が規制に抵触しないかを検討する必要があります。

インドネシア政府は昨年、急増するデジタル融資サービスに対する規制を導入し始めた

UangTeman はプレシリーズ A ラウンドを昨年実施し、シードラウンドではジャカルタの VC 企業 Alpha JWC Ventures から支援を受けている。

Modalku、Investree、Crowdo にコメントを求めたが記事執筆時点までに回答はなかった。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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