豊田通商がGrabの新たな投資家に、運転手データを自動車の多国籍企業トヨタと共有へ

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Image Credit: Grab

東南アジアの配車サービス大手 Grab は、トヨタ自動車グループ唯一の総合商社である豊田通商を新たな投資家に迎えた。

豊田通商は、2017年4月に設立された次世代ファンド「Next Technology Fund」を通じて投資を行った。このファンドは、新たな市場を開拓し、企業運営に資する革新的なテクノロジーに投資するものだ。Grab は最初に投資された企業である。

今回の投資は、25億米ドルに達するとみられる Grab の現行資金調達ラウンドの一環でもある。7月には、中国の配車企業 Didi Chuxing(DiDi)や日本の通信コングロマリットであるソフトバンクグループから20億米ドルを調達していた。

Grab の CEO 兼共同設立者である Anthony Tan 氏は公式プレスリリースでこうコメントした。

豊田通商からの投資を受けるのを喜ばしく思います。今回の件で確認されたのは、私たちの懸命な仕事ぶり、主導的なポジション、東南アジアの巨大な成長可能性です。豊田通商とともに東南アジアを前進させていくことを楽しみにしています。

データコラボレーション

豊田通商はただ Grab に投資しただけではない。データに関する共同作業も行う予定だ。

この目的は、トヨタのモビリティサービスプラットフォーム(MSPF)上にあるコネクテッドカーのサービスを活用して Grab ドライバーの体験を向上させるところにある。

このパイロットプログラムには、トヨタ自動車、トヨタファイナンシャルサービス、あいおいニッセイ同和損保の3社も関わることになる。Grab は、サービスを提供しているトヨタ車100台からトヨタのデータ転送ドライブレコーダー「TransLog」によって集められる運転パターンに関するデータをシェアする。

トヨタのチームがデータセットを分析し、Grab はその結果を用いて、ユーザに応じた保険商品のほか自動車ローンプログラム、事前予測メンテナンスなど MSPF のプログラムで活用する方法を調査し、プラットフォームの向上につなぐことができる。

トヨタ自動車の専務役員兼コネクテッド会社社長の友山茂樹氏は、公式プレスリリースで次のように述べた。

Grab との今回の共同作業により、安全、便利で魅力的なモビリティサービスを東南アジアの顧客に提供する新しい方法を開拓していきたいと思います。

Grab は東南アジアで最大の自動車ネットワークを有する配車サービス。現在、7か国・87都市に120万人のドライバーがいる。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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