
Image Credit: OYO
インドのホスピタリティスタートアップ OYO は、ソフトバンク傘下の SoftBank Vision Fund がリードするシリーズ D ラウンドで160億インドルピー(2億5,000万米ドル)を調達したことを発表した。
既存投資家として、Sequoia India、Lightspeed Venture Partners、Greenoaks Capital も今回のラウンドに参加した。
また、OYO は今回参加した新規投資家として Hero Enterprise の名前を挙げている。
OYO の設立者兼 CEO である Ritesh Agarwal 氏はこのように説明する。
私たちは現在、ネットワークの範囲拡大に集中的に取り組むことで、OYO Rooms を通じた経済におけるリーダーシップの確立と、Townhouse ブランドを通じたミッドマーケットにおけるリーダーシップの確立を目指しています。また、新たな資金を投入して、私たちが持つインド発のビジネスモデルを、インドと同様に需給の不均衡を抱える海外の市場に持ち込みたいと考えています。
プレスリリースによると、OYO は東南アジアを海外展開のメインターゲットに据えており、2016年1月にはマレーシア市場への参入を行っている。
調達した資金を利用してカスタマーエクスペリエンスと技術開発の強化も行う予定。
資金調達に関する報道が最初に出たのは4月。The Economic Times の報道によると、当初ソフトバンクは今回のラウンドで5億米ドルの投資を考えていたようだ。ところが OYO の初期投資家らがこれに反対した。なぜなら、ソフトバンクが過半数の株式を取得することになるうえに、自分たちの保有する株式の希薄化にもつながるからだ。
同社は今回のラウンドよりも以前に、ソフトバンクや海外の政府系ファンド(名前は非公開)、さらに既存投資家の Sequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Greenoaks Capital、DSG Consumer Partners、Venture Nursery らが参加するラウンドで1億米ドルの資金調達を行っている。
同社は業界で最も潤沢な資金を持つスタートアップの1つだと言われており、Sumanth Raghavendra 氏のブログで出資金詐欺だと非難され、論争に巻き込まれたこともある。Agarwal 氏は、この非難は従業員に対する「侮辱」であると主張した。
2013年5月にローンチした OYO は、標準化された格安ホテルの予約サービスを提供する OYO Rooms の運営を行っている。
さらに、Townhouse というサービスも提供しており、同社はこのサービスを「エクスペリエンスと価値を提供する、中流層向け高品質ホテルブランド」と表現している。
Agarwal 氏は語る。
私たちは現在も成長し続けており、毎月1万部屋が新たに当社のネットワークに加わっています。OYO の需要の95%以上が手数料のかからない当社独自のチャネルを利用したもので、事業の成長見通しは堅調です。
OYO がさらなる拡大を狙う東南アジア市場には、Zen Rooms、NIDA Rooms、Tinggal、Airy Rooms など、OYO と同様に標準化された格安ホテルの予約サービスを提供する企業が存在し、OYO はそれらの企業と競争することになる。
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