東南アジアでショッピングやオンラインゲームを展開するユニコーンSea、ニューヨーク証取への上場が承認

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シンガポールのユニコーン Sea(旧称 Garena)は22日、ニューヨーク証券取引所への IPO 申請に関する登録が承認されたことを明らかにした。幹事証券会社は、Goldman Sachs、Morgan Stanley、Credit Suisse 。声明によれば、売出株式数や価格帯は決定していない。

当初はゲーム事業で始まった Sea は、e コマースやデジタル決済へと事業を多角化した。今日では、Garena、Shopee、AirPay の3つのブランドを持ち、東南アジアの7つの市場——インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、台湾、シンガポールでサービスを展開している。

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同社にとって8回目の誕生日となった今年5月8日、同社は社名を Garena から Sea に変更した。Hillhouse(高瓴資本)、Cathay Financial(国泰金控)、Farallon、GDP Ventures、JG Summit Holdings などから5.5億米ドルを調達した直後のことだ。

GDP Ventures は、たばこメーカー Diarum を支配するインドネシアの大富豪家の子息 Martin Hartono 氏が運営。また、JG Summit は、フィリピンの億万長者 John Gokongwei 氏によって設立された。

Sea の初期支援者には、中国の Tencent(騰訊)、マレーシアの政府投資組織 Khazanah Nasional Bhd、シンガポールの Temasek 子会社 SeaTOwn Holdings International、日本の孫泰蔵氏の Mistletoe、カナダ・オンタリオ州教員年金計画委員会、アメリカのプライベートエクイティ会社 General Atlantic がいる。アジアからの大規模エグジットは稀であるため、これらの支援者全てにとって、今回の IPO は素晴らしいニュースである。

今年同社が実施した5.5億米ドルの資金調達は、共に中国のインターネット大手 Alibaba(阿里巴巴)の支援を受ける Lazada や Tokopedia と競合するインドネシアで、Shopee の事業拡大を狙ったものだ。同時に、10億米ドルの調達もあり得る、Sea の IPO の準備のためのものでもあった。

Sea のバリュエーションは、2016年3月の調達ラウンド時で375億米ドルだったが、直近ラウンドでのバリュエーションは開示されていない。

Garena は、マルチプレーヤーオンラインバトルゲームの「League of Legends(LoL)」を東南アジアで展開している。今日、LoL は世界で最も人気のあるマルチプレーヤーオンラインバトルゲームとなり、毎月のユニークビジター数は1億人に上る。

Shopee や AirPay といったサービスへの多角化を図ったことで、Sea は2016年の人口が6億人で GDP が3兆ドルに達した東南アジアで、デジタル市場を狙った幅広いユーザ層を持つ企業へと成長した。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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