ファッション提案O2O運営のスタイラー、サービス名を「FACY(フェイシー)」に改称し購買決済機能を追加——年内の台湾市場進出も視野に

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2017.9.20

ファッション・アパレル店舗向けのO2O(オフライン・トゥ・オンライン)サービス「STYLER(スタイラー)」を提供するスタイラーは20日、サービス名を「FACY(フェイシー)」に改めることを明らかにした。あわせて、FACY のアプリには、オンラインで購買・決済が完了するコマース機能を搭載する。

スタイラーの創業者で CEO の小関翼氏によると、リブランドの理由は、旧サービス名では新規ユーザから「スタイリングのサービス」と誤認されることが多かったからだという。新しいサービス名は、オンラインでもリアルでの対面接客に近い購買体験を提供したいとの意図から、「face to face」をもじって FACY と名付けられた。なお、社名はスタイラーのままで変更しない。

あわせて今回、FACY にはコマース機能が追加搭載され、実店舗を持つファッション・アパレル店舗が、容易にオンライン販売を開始できるようになる。このしくみでは、FACY 上の店舗ページへの送客、オンライン顧客に販売した商品の店頭集荷、決済に至るまでの作業をスタイラーが代行。店舗の視点で見てみると、飲食店における UBER EATS の感覚に似ている。スタイラーは店舗に対して一連の機能を提供し、その対価として売れた商品価格の20%を販売手数料として店舗から取得する(当面はキャンペーンとして10%で提供)。

FACY のアプリで商品を購入する際の画面フロー(抜粋)
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ファッションで欲しいものを買いに行くとき、消費者はリアル店舗に行っている。しかし、リアル店舗でのユーザ体験は必ずしも高くない。一方、オンラインではファッションの抽象的なニーズに対して、検索エンジンなどで商品を探すのは不向き。店舗はそういう客のニーズに商品を提案することに慣れている。FACY では、オンラインとオフラインのいいところをつなぎ、購買もそこで完結できるようにしていきたい。(小関氏)

ファッションに関する話題を扱うメディアで集客を図る FACY のウェブサイトには月間1,500万UU 程度の訪問があり、このうち、モバイルアプリを使って、店舗とのやりとりを行ったり、店舗と他ユーザとのやりとりを閲覧しているユーザは MAU 50万人程度。同社ではさまざまな施策を通じて、これを年内には MAU 100万人程度にまで引き上げたいと意気込む。

FACY を使ってもらっているのは現在250店舗程度。業界での当社のプレゼンスが上がってきたので、大手の企業から「組みませんか」という商談が来ることも増えてきた。(小関氏)

業界での評判を買う理由の一つが、FACY が持つ O2O アプリとしてのコンバージョンの高さだろう。公開可能な情報として教えてもらったところでは、FACY の顧客である JOURNAL STANDARD が「1万円分購入したら、1,000円割り引きます」というキャンペーンを張ったところ、店舗で商品を購入した全消費者のうち22%が、FACY からの送客であることが明らかになったという。割引キャンペーンというリワードをつけたことは別としても、一般的な SNS からの O2O 送客に比べると10倍以上のパフォーマンスが出たことになる。

店舗から見たワークフロー
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スタイラーでは今後の展望として、メディアのオペレーションにスケーラビリティを確保すべく、店舗が発信しているファッションの情報やユーザの投稿内容をもとに、人工知能を使った記事のライティング自動化なども視野に入れている。BPO を得意とするトランスコスモス(東証:9715)から出資を受けていることから、コールセンターの機能を活用した店舗のチャットボット代行運用なども可能だろう。また、海外展開という側面では、スタイラーはかねてからベトナムを拠点にアジア展開に向けたサービス開発を行っており、台北市内で人材募集を開始したり、繁体字版の Facebook ページの運用を始めたりしていることから考えても、そう遠くない日に台湾でのサービスローンチをお伝えできそうだ。

<参考文献>

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