サービス業フリーランスの営業支援プラットフォーム「Summon」運営、投資型クラウドファンディング募集開始から4時間で約3,500万円を調達

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Fundinno 上で展開された MOSOmafia のクラウドファンディング・キャンペーン

東京のスタートアップ MOSOmafia は15日、日本クラウドキャピタルが運営する投資型クラウドファンディング・プラットフォーム「Fundinno」上でキャンペーンを開始したが、先ごろ、キャンペーン開始から4時間で3,498万6,000円の資金調達を完了したことを明らかにした。調達した資金を使って、MOSOmafia は、同社のサービス業フリーランスの営業支援プラットフォーム「Summon(サモン)」のサービスリニューアルや機能拡張に活用するとしている。

MOSOmafia は2015年8月、弁理士でシリアルアントレプレナーの渡辺大介氏により設立。同年末、美容サロンのプロをオンデマンドで呼べるサービス「careL(ケアエル)」をローンチ、2016年2月、ガイアックス(名証:3775)のシェアリングエコノミーファンドからシード資金を調達(調達額非開示)、2016年末に Summon をローンチした。

Summon はフリーランスの美容師やネイリストなど、独立したてのサービス業プロフェッショナルが、集客・予約受付・決済など一連の営業業務をしやすくするためのプラットフォームだ。iOS アプリから、写真をアップロードするだけでウェブサイトを開設でき、起業したばかりの個人が店舗を持っていなくても、顧客先への出張などから事業を開始することを前提に設計されている。

Summon

Fundinno に参加している投資家人数について、運営元の日本クラウドキャピタルは今年2月に開いた事業計画発表会で、2017年度中に2万人を目指すとしており、現時点では数千人程度に達していると推測される。MOSOmafia の渡辺氏によれば、Summon の機能拡張のためベンチャーキャピタルからの投資を模索していたが、迅速に資金を調達すべく Fundinno でのクラウドファンディング実施を決めたとのこと。

MOSOmafia は今回の投資型クラウドファンディングを通じて約300人の新株主を獲得したことになり、新株主には普通株を発行割当する予定(財務局指導により、現時点で種類株の発行割当には一定の制約がある模様)。日本クラウドキャピタルと提携関係にある、みらい証券の「株主コミュニティ」のしくみにより、株式の流動性も確保される見込み。Fundinno の利用には10万円の審査費用、募集成立時に10%〜20%程度の手数料がかかるため、今回のクラウドファンディング成立により、MOSOmafia が実際に手にする資金は3,000万円程度と推測される。

今回調達した資金を用いて、MOSOmafia では Summon 上での月間流通金額を、現在の1,000〜1,500万円から2億円程度にまで成長させたいとのこと。また、現在フリーミアムモデルで提供されている Summon に、サービス業フリーランスが、潜在顧客に向けたメールマーケティングやオンラインプロモーションできる機能、Google カレンダーと連携できる機能を追加し、手数料収入以外の収益源の確保を目指すとしている。Summon に先行する CareL については実質的に追加開発をストップしている状態だが、Summon の流通取扱を向上させ API 連携することにより、最終的にはアメリカの StyleSeat のようなサービスを目指すようだ。

ICO(Initial Coin Offering)、投資型クラウドファンディングなど、従来のプライベートエクイティやベンチャーキャピタルなどに加え、スタートアップにとっての資金調達の選択肢が多様化しているのは興味深い。一方で投資リスクを軽減するための、十分な情報収集や情報開示を支援するしくみづくりが今後の課題となるだろう。

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