一方、Solis ははるかにシンプルだ。大きなアイスホッケーパックのようにも見えるが、オレンジ色の外観なので間違えることはないだろう。この製品にはスクリーンがなく、あるのは2つのボタンだけだ。電源ボタンは Solis の側面にあり、率直に言うと少し小さすぎる。上面には、ライトで現在のステータスを示す「スマートボタン」が配置されている。
(上)旧 Skyroam(左)と新製品の Skyroam Solis. Image Credit: Stewart Rogers/VentureBeat
Solis が備える現在ほぼ無意味な方のボタンは、将来活用できることが約束されている。Skyroam のグローバルマーケティング担当 VP である Cory Jones 氏は、間もなくカスタマイズ可能になると私に教えてくれた。
ハードウェアに組み込まれたプログラム可能なスマートボタン、GPS、Bluetooth のおかげで、今年中に Skyroam Solis を始めとする各種デバイスやアプリ向けに、ナビゲーション、安全、Skyroam Solis のコントロールなどの分野で新機能を追加することができます。
総評
さて、旅行中の Wi-Fi 問題を解決し、移動中もネット接続を維持する上で、Skyroam Solis は優れたソリューションと言えるだろうか? EU では新しいローミング法が制定され、ローミング料金の値上げを効果的に誘発している。イギリスで契約している私のデータプランは悪い方向へ向かいつつある。Three UK との契約では、新ルール以前は30ヶ国で無制限のデータが利用可能だった。しかし今後は月に12GB というローミングデータ量の制限がかかってしまう。
Skyroam Solis にアップグレードしたいと考えている既存の Skyroam ユーザを大切にしたいので、Skyroam Hotspot のワンデーパスを Skyroam Solis 4G LTE のワンデーパスに無料でアップグレードできます。ローンチから間もなくすると、1つのアカウントに複数の Skyroam デバイスを登録することも可能になります。
サービスにはいくつかの欠点があるものの、ソフトウェアアップデートで解決できるだろう(電源ボタンはもちろん、もう少し大きい方が良かったと思うが)。欠点に目をつぶれば、常にインターネット接続を求めている人にとって Skyroam Solis は有益だ。特に高価なローミング料金やデータ制限に悩む人には思いがけない吉報となるだろう。
そんなこともあってか、DLD Tel Aviv 2017 にはドイツ企業も数多く協賛しており、ドイツの国営放送 Deutsche Velle(ドイチェヴェレ)はスタートアップ向けの支援プログラムの一環で、DLD 参加スタートアップとメディア関係者をつなぐ「Pitch the Press」というイベントを開催した。筆者もこのイベントに参加したので、話を聞いたスタートアップを簡単にまとめてみる。
examPAL(イスラエル)……GMAT をはじめ MBA の入学試験を受ける人などに、例題(自由回答部分)に答えてもらうことでユーザの強い部分と弱い部分を指摘してくれるサービス。フリーミアムで提供され、有料コンテンツへのアクセスでマネタイズ。中国の高考(ガオカオ)や日本のセンター試験にも適用できるとしている。
3asyR(ギリシア)……目が悪く字が読みづらい、あるいは難読の人のために、文字を大きくして読みやすくする Google Chrome Plug-in を開発。
WizeGem(イスラエル)……ユーザはもモバイルアプリを使って、指輪、イヤリング、ブレスレット、ネックレスなど、さまざまなジュエリーやアクセサリーのデザインをカスタマイズできる。カスタマイズされたデータを WIZEgem は提携している世界各地の生産工場に転送、金属の 3D プリンティングや研磨加工により好みのジュエリーやアクセサリーができあがる。ダイヤモンドはまだ着手していないとのこと。
彼らの中から何社かは、DLD Tel Aviv 2017 内で開かれるピッチコンペティションに参加が認められる予定だ。ピッチコンペティションの模様についても追ってお伝えする。
WIRED日本版 編集長 若林恵氏や、シンガポール SGInnovate 代表の Steve Leonard 氏らが登壇した、アジアのスタートアップシーンに関するセッション
DLD Tel Aviv 2017 にはヨーロッパのみならず、アジアからも多くの起業家や投資家が参加していた。イスラエルのスタートアップの目には、中国や日本が大きな市場機会として映るようで、WIRED日本版 編集長 若林恵氏や、シンガポール SGInnovate の Steve Leonard 氏ら登壇したパネルセッションでは、会場から積極的に質問が寄せられていた。