香港では、日本の JETRO(日本貿易振興機構)に相当する InvestHK(香港投資推広署)が、毎年この時期に Hong Kong FinTech Week なるイベント週を企画しており、さまざまな金融やフィンテック関連の催しものが連日開催される。昨年の FINNOVASIA 2016 は RISE 2016と時期を同じく6月に開催されたのだが、今年からは Hong Kong FinTech Week の一部として再構成されたようだ。
Image credit: Masaru Ikeda
FINNOVASIA にとっては、Hong Kong FinTech Week の一部を構成するイベントとなったことで、登壇者や聴衆を世界中から集めやすいというメリットがあるだろうし、おそらく、スポンサーの確保や香港政府からの支援も得やすかったのだろう。アジアで見て見ると、Hong Kong FinTech Week のような、この種の国を挙げたイニシアティブは、日本の金融庁・日経・Fintech 協会が共催する Fin/Sum や、シンガポール金融当局(MAS、Monetary Authority of Singapore)が主催する FinTech Festival などが存在する。かつて金融ハブと言われたこれらの都市は、21世紀を迎え、以前に増して資金や人が流動化するようになった今、文字通り新たな時代のリーダーシップを巡って競い合っているわけだ。
Salus.Alpha は、オルナタティブ投資に特化した AI を取り入れたロボアドバイザーだ。オルタナティブ投資とは文字通り代替投資を意味し、株式や債券といった投資とは異なり、具体的にはヘッジファンド、プライベート・エクイティ、コモディティ(先物などの商品市場)、現物不動産などへの投資の総称。一般的にオルタナティブ投資は、従来型投資よりも高いリターンが得られる可能性は高いものの、リスクが高い、手数料が高い、法規制が厳しいなどの課題点がある。Salus.Alpha はこれらを AI を使ったロボアドバイザーで解決し、そのベンチマークとしては、ETF(上場投資信託)の代表格である SP500 Beta よりも高利回りの実績を確保しているという。
Japan Pavilion 前で記念写真に納まる、Fintech 協会の皆さん(一部) Image credit: Fintech Association of Japan
FINNOVASIA の出展エリアには、日本のフィンテック・スタートアップ向けの共同ブース(主催者は、Japan Pavilion と呼んでいた)が開設され、イベント期間中、多数のスタートアップが訪れていた。また、1日目の夜には KPMG Japan がスポンサードする形で、香港・湾仔(ワンチャイ)の目抜き通りにあるレストランのルーフトップで Japan FinTech Night が開催され、日本から参加したフィンテック・スタートアップ数社を交えたパネルディスカッションが行われ200名以上が参加した。
Japan FinTech Night で、Fintech 協会の紹介をする財産ネット CEO の荻野調氏 Image credit: Masaru Ikeda
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