韓国発の翻訳テクノロジースタートアップFlitto、コロプラネクストから資金調達——インバウンド需要増に対応し、日本市場へ本格進出

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左から:コロプラネクスト 代表取締役 山上慎太郎氏、Flitto CEO の Simon Lee(韓国名:イ・ジョンス=이정수)氏

【11日15時更新】Flitto の過去の調達金額について、Crunchbase に公開されている情報などを参考に記したが、これらに誤りがあるようで、Flitto から得られた情報に訂正した。

韓国発のスタートアップで、クラウドソーシングや人工知能を用いた自然言語処理による翻訳サービスを提供する Flitto(플리토) は9月18日、コロプラネクストから資金調達したことを明らかにした。調達ラウンドや調達金額は開示されていない。同社はこれまでに、Stonebridge Capital などから、創業時の2012年に8億ウォン(約7,900万円)、2015年5億ウォン(約4,900万円)、2016年に10億ウォン(約9,800万円)を調達している。シードラウンドで 2012年と2013年に8億ウォン(約7,900万円)、シリーズ A ラウンドで2015年に35億ウォン(約3.5億円)、シリーズ B ラウンドで2016年に90億ウォン(約8.9億円)を調達している。

2012年にローンチした Flitto は、ユーザがネイティブスピーカーから翻訳をキュレーションすることができるサービスだ。従来の機械翻訳とは異なるアプローチをとり、翻訳希望者と翻訳者(ネイティブスピーカー)をつなぐことで、莫大な量の翻訳パターンを蓄積。それらをもとに、人工知能や巨大な翻訳データベースを使って手早い翻訳を提供している。

最近では、これまでに蓄積した言語データ(コーパス)を Baidu に販売し Baidu Translate(百度翻訳)の機能向上に活用、また、Baidu との協業でマイクロソフトや NTT ドコモ などにもデータを販売している。Flitto は THE BRIDGE の取材に対し、今回のコロプラネクストからの調達とあわせ、日本オフィスを開設することも明らかにした。Flitto CEO の Simon Lee(韓国名:イ・ジョンス=이정수)氏は「B2B から C2C まで日本市場への進出を積極的に展開していく予定」と語っている。

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Flitto はサービス開始から5年目を迎え、新たな機能追加も発表。アプリ上からの音声入力により、翻訳結果をリアルタイムで表示。方言、新語、詩文など人工知能が翻訳できない場合は、クラウド翻訳者にそのリクエストが伝えられ、人による翻訳結果を受け取れるようになった。この新機能は、9月14日にアップデートされた Android アプリおよび iOS アプリで利用可能だ。

コロプラネクストは、かねてより言語障壁を克服するテクノロジーを開発するスタートアップへの投資に積極的で、これまでにバーコード読取で商品情報を多言語表示する「Payke(ペイク)」や、人工知能による最適化で外国人に求人情報を提供する「JapanWork」に出資している。

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