食品流通「SEND」運営のプラネット・テーブルが水産物流通に本格参入、11月には品川に2200平米の流通センター開設も

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食糧の流通やビッグデータを扱うフードテックのプラネット・テーブルは10月31日、水産業流通サービス「SEAFOOD by SEND(以下、SEAFOOD)」を開始すると発表した。生産者と選定されたレストランをつなぐ流通サービス「SEND」はこれまで主に野菜や食肉を中心に取り扱っており、2015年8月のサービス公開以降、生産者の登録件数は4500軒、配達先のレストランは3700軒にのぼる。今回公開されたSEAFOODは魚介類専門の流通サービスで、同社としては水産業への本格的な参入となる。

SEAFOODもSEND同様に水産物を生産者から直接レストランなどに対して直販するオンライン流通サービスを提供する。365日無休で、配送料は無料。プラットフォームの利用料金として所定の手数料がかかる仕組みになっている。配送エリアについては東京都内環状7号線の内側が主要な配送エリアで、生産者および配達先のレストランは全て登録制。商品は一尾、切り身一枚単位で注文・購入ができる。

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同社代表取締役の菊池紳氏によれば、30軒の水産事業者で開始し、取り扱う水産物の種類は50ほどになるそうだ。また、SEAFOODでは水産資源の持続性に注目しており、自主的な資源管理や漁獲規制をかけている事業者などを中心に登録を進めるとしている。

また同社では11月から品川に2200平米の大型流通センターを新設し、各産地からの輸送ゲートとして従来の生鮮食品を流通させるほか、今回開始する水産物の鮮度維持や取り扱い食品全体のロス低減に向けた取り組みを強化する。これまで流通センターとして活用していた目黒の拠点は今後、販売店舗として活用されるという。

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さて、水産物のオンライン直販や流通サービスはフーディソンや八面六臂などの事業者が先行している。菊池氏にそれらとの差別化について尋ねたところ次のように回答してくれた。

「棲み分けとしては市場や卸さんを使わない、持続可能な水産しか流通させない、漁協だけじゃなく、個別の養殖事業者さんからも積極的に取る、送料も相変わらず無料という点があります。特に私たちらしさでもあり、重要なのは二つ目のポイントでして、生産者の支援とはいえ、天然資源を奪うだけの漁業は持続的ではないし、「水産」の「産」が抜けていると思っています。資源管理や漁獲規制をしたり、養殖や繁殖に取り組んで「人が食べるものは、人が守り、育てて、増やす」に取り組んでいくべきだと思います。農業や畜産業と同じですね」(菊池氏)。

一応、開示も含めてお伝えしておくと、菊池氏は私たちの開催する勉強会にて食品流通、特にフードロス問題について監修をしてくれている。年間で600万トンという膨大な量の食品を無駄に廃棄している日本にあって彼は「食べる分だけ予約して食べる」「あるものを食べる」という解決方法を示してくれた。そのためにもSENDのような複雑なサプライチェーンを介さない仕組みを活用することは、双方の需給をわかりやすくさせる意味においても意義深い。

菊池氏は「将来的には世界中の沿岸部が養殖場として栄え、あらゆる魚種が育てられ、わざわざ遠洋でコストをかけて天然資源を根こそぎハンティングしなくて済む社会が理想」ということで、陸上養殖などの販路開拓や、生産支援も手掛けていくそうだ。

 

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