AdAsia Holdings、Gunosyとウェブクルー創業者の渡辺久統氏から250万米ドルを調達しシリーズAラウンドをクローズ——AIエンジンを開発へ

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Image Credit: AdAsia

シンガポールを本拠とするアドテクスタートアップ AdAsia Holdings が日本の情報マーケットプレイスウェブクルーの元 CEO 兼会長の渡辺久統氏と日本のニュースプロバイダ Gunosy から250万米ドルを調達した。これをもって AdAisa のシリーズ A ラウンドは完了となる。

プログラマティック広告企業である同社は、ソフトウェアを使って企業がデジタル広告を購入できるようにしている。同社はシリーズ A ラウンドの初回分(1,200万米ドル)を今年4月に JAFCO Asia から調達していた。JAFCO Asia はグローバルベンチャーキャピタルファーム JAFCO Co., Ltd の地域子会社である。

この新たな資金注入により、AdAsia は AI マッチングエンジンの拡大を計画している。元々はインフルエンサー・マーケティングプラットフォーム CastingAsia に向けて開発されたものだが、これを人事など、マーケティングや広告を超えて他の産業分野に適用していきたい考えだ。AI テックを活用することで企業による採用候補者と企業のマッチングの支援を目指している。

AdAsia Holdings の COO 兼共同設立者の小堤音彦氏はこのように述べている。

色々な側面にまたがるスイートを展開することを計画しています。プロフェッショナルや企業、そして産業界に複数のツールを提供することで、より優れた業務有効性の実現を目指します。

当社は「ビジネス上の発見」も可能にしたいと思っています。大量のデータを所有・処理している企業にとって、次のステップは AI を活用してこのデータを理解し、一見しただけでは分からなかったことを見つけ、それに素早く取り組むことです。これは以前からプログラマティック広告を支えるコンセプトで、この知見を他の産業や職務に拡大していきたいと考えています。

また、Gunosy の投資により AdAsia はモバイル広告事業部と連携し、東南アジアへの展開を推進していく。

左から:AdAsia Holdings 共同創業者兼 CEO ⼗河宏輔氏、共同創業者兼 COO ⼩堤⾳彦氏

AdAsia の CEO 兼共同設立者の十河宏輔氏は次のように述べている。

当社のこの成長段階で渡辺氏と Gunosy に参画頂くのは戦略的な動きで、豊富な経験に基づく助言を受けたりさらに事業機会を伸ばしたりできるようになります。

同社の AI マッチングエンジンは画像認識や NLP(自然言語処理)、ディープラーニングやスクレイピングなどいくつかのコンポーネントで構成されているという。

2016年に設立された AdAsia は9か国に10拠点の事務所を構えており、最近バンコク、ホーチミン市、東京に進出した。世界で300を超える顧客を擁しており、2016年には1,290万米ドルの収益を上げ、すでに経営は黒字化しているという。

加えて、2017年は四半期ベースで平均30%の成長を続けているとしている。現在のスタッフ数は170名だ。

以前の e27とのインタビューで、十河氏は AdAsia を香港または東京株式市場のどちらかに2018年後半か2019年初めに上場させる計画だと話していた。また、従業員数を400名に増員していく予定だという。

さらに、ホーチミン市にある製品開発センターの拡大も計画中。研究開発部門を配下におき AI テックを監督させたい考えだ。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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