中国語の複数方言を聞き取るAIを開発するFano Labs(有光科技)、香港の大富豪・李嘉誠氏のファンドなどからプレシリーズAで資金を調達

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左から:Fano Labs(有光科技)の共同創業者 Victor O.K. Li(李安国)教授と Miles Wen(温豪夫)博士
Image credit: Fano Labs(有光科技)

香港を拠点とし、音声認識や自然言語処理に特化した人工知能を開発するスタートアップ Fano Labs(有光科技)は20日、Hutchison Whampoa(HWL) 創業者で香港を代表する大富豪である李嘉誠氏の投資会社 Horizons Ventures(維港投資)がリードしたプレシリーズ A ラウンドで資金調達を実施した。調達額は非開示。同社はこれまでに、複数のエンジェル投資家、香港大学、香港サイエンスパーク(香港科技園)、Innovation and Technology Commission of HKSAR(香港特別行政区創新科技署)、AI 特化スタートアップアクセラレータの Zeroth.ai の支援を受けている。

Fano Labs は中国語の方言や言語解析に高い技術力を持っており、今回調達した資金を使って、通信販売など中国のコールセンター業界向けに、消費者とオペレータ間の電話を介したやりとりの録音を、効率よくレビューできるサービスを開発する。中国語には非常に多くの方言が存在するが、Fano Labs が独自に開発した人工知能システムを用いることで解析が可能となり、コールセンターのオペレータのマネージャーに対し、価値のあるビジネスインテリジェンスを届けることが可能となる。

Fano Labs はこれまでに、英語と北京語(普通話)に加え、広東語や四川語の音声認識や自然言語処理技術を開発済で、不動産デベロッパ、ユーティリティ企業、通信会社といった大企業と契約を締結している。Fano Labs の社名は、可逆圧縮方式であるシャノン・ファノ符号化を発明した AI 科学者 Robert Fano 教授にちなんでつけられた。Fano Labs 創業者の一人の、博士課程におけるアドバイザーのアドバイザーが Fano 教授だったのだという。

今年10月、Zeroth.ai の第2期デモデイでピッチするFano Labs(有光科技)の Miles Wen(温豪夫)博士
Image credit: Masaru Ikeda

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