農業向けのソーラー灌漑システムを提供するインドの Claro Energy が今年の1位を受賞、シンガポールの画像ソフトウェア企業 ViSenze が2位が聴衆賞を、また、スマートシティプログラムを提供するロシアのエンジニアリングソリューションプロバイダ Webgears WGT は、3位に入賞した。
1位を受賞した Claro Energy(インド)
Claro Energy は、当初はインド亜大陸、のちに世界中の農業灌漑業界をディスラプトする狙いで、2011年初期に設立されたスタートアップだ。Claro の農業従事者向けソーラー灌漑ソリューションは、高価なディーゼルエンジンポンプを代替することを目指している。ディーゼルポンプは高価なだけでなく、排気ガスによる空気汚染を引き起こし、サプライチェーンの中でさらなるカーボンフットプリントを使うことになる。
Claro の知的所有権は、ソーラーグリッド(太陽電池による電力網)など面展開ソーラーソリューションを可能にする。過去6年間にわたり、同社はインド15の州で7,000基以上のソーラー灌漑ポンプを設置してきた。彼らは、この分野に多くのビジネスモデルイノベーションをもたらしている。共同創業者でディレクターの Kartik Wahi 氏が、Claro Energy を代表してプレゼンテーションした。
web 起業家やコンピュータビジョン・サイエンティストらの手により、シンガポール国立大学から2012年にスピンオフした ViSenze のミッションは、人々が映像世界を検索・発見する方法を簡単にするというものだ。前述した楽天に加え WI Haprer から出資を受けており、マスターカードからも正式に支援を受けている。CEO で共同創業者の Oliver Tan 氏が、同社の決勝ピッチを行なった。
Webgears は、産業用アプリケーションやゲーム向けの、新しい web ベースの 3D グラフィックスに特化したソフトウェア技術会社だ。彼らのプロダクトはグラフィックエンジンで、ハードウェアをほぼ必要とせず、インタラクティブな 3D コンテンツをクラウド上に載せるだけで、顧客がインタラクティブな 3D グラフィックスと 3D モデルからより多くの価値を生み出すのを支援する。
インターネットサービス大手の BEENOS(東証:3328)は1日、同社傘下の E コマース事業を行うネットプライスをオークファン(東証:3674)に事業譲渡することを明らかにした。譲渡は12月1日に実施される予定で、BEENOS が保有するネットプライスの全株式5,000株をオークファンに売却する形で実施する。譲渡価格については8,800万円とされている。 ネットプライスは1999年に E コマ…
Image credit: Netprice
インターネットサービス大手の BEENOS(東証:3328)は1日、同社傘下の E コマース事業を行うネットプライスをオークファン(東証:3674)に事業譲渡することを明らかにした。譲渡は12月1日に実施される予定で、BEENOS が保有するネットプライスの全株式5,000株をオークファンに売却する形で実施する。譲渡価格については8,800万円とされている。
ネットプライスは1999年に E コマース関連事業の開発を目的として、現在 BEENEXT を牽引する投資家として知られる佐藤輝英氏らによって設立された。2004年7月に東証マザーズに上場。2007年にギャザリング・コマースのネットプライスやオークファンといった複数事業の持株会社となり、ネットプライスドットコムに社名変更された(この段階で、ネットプライスはネットプライスドットコム傘下の事業会社に移行している)。
Dine では、メッセージが開通すると最初に日程調整の画面が現れるようになっている。アメリカでのこれまでのサービス実績では、ユーザ同士がマッチして会話が始まれば、デートに至るのは約40%。極めて高い数字と言える。(上條氏)
マッチングには、ユーザが選んだ相手の好みの顔、年齢、それに選んだデートの行き先などをアプリが学習し次第に精度が上がって行く。1ヶ月6,500円か、3ヶ月払の場合4,800円/月のサブスクリプションモデルで、男女公平の観点から男性ユーザにも女性ユーザにも共通の料金体系が適用され、男女ユーザのどちらかが料金を支払っていればデートのセッティングが可能。デイティングアプリの中ではやや強気の値付けではあるが、その背景にはデートのコミットと、マッチングのクオリティの高さがあるようだ。また、なんとなく洗練された雰囲気を醸し出す Dine の UI にも、上條氏らの「デイティングアプリを恥ずかしいものにしたくない」という思いが反映されている。
Dine は、すでに北米のニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ボストン、フィラデルフィア、ワシントン DC、バンクーバーでローンチしている。日本では今回の東京に続き、ユーザの利用状況を見ながら、大阪・横浜・福岡など都市圏を中心にサービスを拡大させていきたい考え。ニューヨークやロサンゼルスでは、Dine 経由でマッチしたカップルがレストランに来店すると、最初のドリンクが無料になる「Dine Pass」というサービスを試験提供しており、O2O アプリとしての可能性も併せ持つこともうかがえる。
Image credit: Mrk & Co
今回資金調達した企業のうち、パートナーエージェントとは戦略的提携を伴うようだが、Mrk & Co およびパートナーエージェントの両社は、現時点で具体的な提携内容については開示していない。Mrk & Co では、これまでの1年間でアメリカ、これからの1年間で日本での市場可能性を見極め、今後、アジアやヨーロッパにも展開を広げ、売上の約半数を日本国外、残りを日本国内で確保できるような体制を目指したいと上條氏は語った。
この分野では、この種のデートをコミットするアプリの参入がいくつか見られる。背景には、サイバーエージェント(東証:4751)が立ち上げた複数のデーティングアプリ(通称:カップリングユニオン)が、軒並み好成績を上げていることがバーティカル全体の活性化に結びついていることがあるようだ。当初、今秋解禁されるかもしれないとされた、民放テレビ局での出会い系アプリの CM 放映開始は来年以降にずれ込みそうな様相だが、いずれにせよ、男女の出会いという人間の本能に帰する欲望が失われない限り、デイティングアプリの進化は続きそうだ。