排泄予知デバイス「DFree」のトリプル・ダブリュー・ジャパン、プレシリーズBでニッセイ・キャピタルやFoxconn系ファンドらから5億円を調達

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DFree のデバイスとアプリ
Image credit: Masaru Ikeda

排泄予知ウエアラブルデバイス「DFree(ディーフリー)」を開発するトリプル・ダブリュー・ジャパンは6日、シリーズ B ラウンドでニッセイ・キャピタル、台湾の EMS(Electronics Manufacturing Service)最大手 Foxconn(鴻海/富士康)の日本における投資パートナーファンドである 2020 などから5億円を調達したことを明らかにした。

これはトリプル・ダブリュー・ジャパンにとって、2016年7月に実施したシリーズ A ラウンドでの5億円の資金調達(うち1億円は、みずほ銀行と日本政策金融公庫からの借入)に続くものだ。トリプル・ダブリュー・ジャパンへの出資は、ニッセイ・キャピタルは2015年4月のシードラウンドで、2020 はシリーズ A ラウンドで参加しており、いずれの社にとってもフォローオンでの出資となる。トリプル・ダブリュー・ジャパンのこれまでの累積調達金額は約15億円。

同社では、SOMPO ケアネクストが運営する116介護施設をはじめ、介護事業各社と提携し全国150介護施設の高齢者2,000人に DFree を導入。日本と同じく高齢化問題を抱えるフランスでは、ヨーロッパの介護大手 Korian と提携し、パリやポワシーにある2つの介護施設での臨床が終了、これから実運用に移行するところだという。シンガポールの大規模病院(名称非開示)でも導入されているほか、今月中旬にはドイツ・デュッセルドルフで開催される世界最大の医療機器展「MEDICA 2017」に出展し、アメリカへの流通販路開拓にも乗り出すという。

同社はまた、経済産業省と厚生労働省が制定する「ロボット技術の介護利用における重点分野」の支援対象企業に採択されており、来年1月には経済産業省のスタートアップ派遣プログラム「飛躍 Next Enterprise」に参加し、イスラエルのスタートアップ・エコシステムを訪問する予定。

DFree は介護施設や病院を顧客とした B2B(または B2B2C)のサービスモデルを取っているが、メディアへの露出が増えるにつれ、個人からの問い合わせも増えており B2C のビジネスにも着手しつつあるという。トリプル・ダブリュー・ジャパン代表の中西敦士氏によれば、高齢者が要介護になるもっとも多いきっかけが脳卒中だが、特に排泄まわりについては、入院しないですむようにリハビリを繰り返し、元の健康な日常生活を取り戻すための、システマティックなトレーニング施設が少ないのだとか。DFree を身につけることで、要介護だった高齢者を在宅に戻し尊厳を保った日常生活を送れるように支援できるのではないか、と話している。

今回のプレシリーズ B ラウンドは、シリーズ B ラウンドでの調達には一定の時間を要することから、既存株主を中心に、現在のトリプル・ダブリュー・ジャパンがスピードを緩めることがなく成長できるよう、当座の資金として調達したものだ。同社は11月以降、シリーズ B ラウンドの本格的な調達を始める予定で、プレシリーズ B ラウンドに参加した投資家は、シリーズ B ラウンド成立時に新株予約権(Convertible Equity)を株式に転換する見込みだ。同社では、2018年度に10億円規模のシリーズ B ラウンドを実施したいとしている。

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