シンガポールの仮想通貨バンキングプラットフォーム開発スタートアップChange、ICOで1,750万米ドルを調達

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Image credit: Change

シンガポールを拠点とする Change は本日(11月29日)、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)で1,750万米ドル相当を調達したと発表した。

同社はデビットカード、デジタルウォレット、決済アプリを取り込んだ仮想通貨用のバンキングプラットフォームを構築しており、今回調達した資金を製品開発に使用すると述べた。

この中で初のプロダクトとなる Change Card は12月にローンチが予定されている。カード保有者は、世界中にある「無数」のオンラインおよびオフライン店舗で仮想通貨の支払が可能になると声明で明らかにされた。

Change はそのほか、様々なサードパーティーのフィンテック企業が提供する複数の金融サービスを集約するマーケットプレイスも構築している。サービスプロバイダーは、オープン API を活用して Change のマーケットプレイスとの統合が可能になっている。

同社の目標は、仮想通貨を保管・管理・取引する方法を単一のアプリ内で単純化することで、世界中にいる仮想通貨保有者にとっての「ワンストップショップ」になることだ。

例えば、一定期間で仮想通貨を購入し多額の利益を得た人は、Change のマーケットプレイスを使って投資を分散することが可能となる。利益の一部をインドネシアのスタートアップが提供するマイクロローン(小口融資)、あるいはシンガポールのロボアドバイザーが提案するミューチュアルファンドに配分することもできるだろう。

Change はまた、e レジデンシー(電子居住権)プログラムでエストニア政府と提携した。このプログラムにより起業家は、世界中どこからでも EU 拠点の法人をオンラインで設立、運営することができる。このサービスは、エストニアの e レジデンシー取得者なら誰でも利用できるようになる。

余分な小銭

同社の ICO 白書によると、Change トークン(取引所での銘柄名は「CAG」となる予定)は「全ての Change エコシステム内での基幹通貨になるよう念入りに設計されており、様々な投資機会や金融サービスの間での資金移動が可能になる」という。

Change のマーケットプレイスを通して投資をしたユーザは、CAG の形で利益の一部を受け取る。Change カードで買い物するのにこのトークンを使うことも可能だ。CAG を使ったカード購入の場合、0.1%の CAG がリベートとして付与される。他の通貨の場合、リベート率は0.05%だ。

CAG は現在、KuCoin 取引所に上場されている。

Change は、仮想通貨が日常生活で気軽に利用でき、法定通貨と簡単に交換できることを目指す東南アジアのフィンテックスタートアップの1社だ。Fellow Singapore グループ会社の TenX も仮想通貨のデビットカードと e ウォレットをリリースしているが、昨6月にトークン販売で8,000万米ドルを調達していた。VISA が支援する仮想通貨カードを提供している香港の Monaco も同月、ICO で2,670万米ドルを確保した。

Change は2016年初頭にエンジェル投資家から20万米ドルの資金調達を行っている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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