タイ政府、自国企業の競争支援のため近くeコマースに課税する方針か

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Chong Nonsi 駅から、高層ビル群を望む。
Image credit: Masaru Ikeda

タイ政府は自国企業と外国の e コマース事業者との公平な競争条件を確保し、さらに外国企業からの税収を増加させるため、法人税法を改正して e コマースを課税対象に含める方針だ。

Bangkok Post の報道によると、本件に関する公聴会は来年1月に予定されている。

タイ国内で音楽配信やデジタルマーケティングサービスを提供する外国の e コマース企業に対する課税をめぐる公聴会は、今年すでに一度開催されている。

修正法案が可決されると、こうした外国企業は7%の付加価値税(VAT)を歳入局に納税する義務が生じる。

タイ e コマース協会は、とりわけ中国企業をはじめとする外国企業による国内での独占形成を阻止するよう、政府に働きかけてきた。

10月には、傘下のフィンテック部門 JD Finance を通して中国のインターネットの巨人 JD.com が、タイにおいて5億米ドル規模で発足する e コマースとフィンテックのプロジェクトの主要事業者になることが明らかにされていた。Alibaba が支援する Lazada は、2016年12月にタイで4,100万ページビューを記録した(eMarketer 調べ)。したがって、協会の懸念も根拠のないものではない。

協会は不当廉売防止法の導入も要望している。同法が施行されれば、国内市場での価格より不当に低いとみなされる輸入品に対し、政府は価格の上乗せを課すことができるようになる。

歳入局次長の Patricia Mongkhonvanit 氏によると、eコマースを対象にした特別法や税率を設けることはしないとしている。

Mongkhonvanit 氏はタイ e コマースウィーク2017におけるパネルディスカッションにて、「歳入局では、既存企業とオンライン企業との公平な競争を重視する」と発言した。

タイ e コマース協会の Pawoot Pongvitayapanu 会長は Bangkok Post に対し、Alibaba や JD.com といった外国の e コマース大手企業は短期的にタイの e コマース業界を活性化させる可能性はあるが、自国企業は競争するだけのリソースは持ち合わせていないだろうと述べた。

自国企業は水平的なマーケットプレイスを支配している外国の競合と差別化するために、国内にあるニッチな市場や業界を見つけなくてはならない。

競争条件の平準化に踏み出している東南アジアの国はタイだけではない。先週(11月第4週)にはシンガポール政府が商品サービス税(GST)の枠組みで e コマースに課税する方針を明らかにしている。

【via e27】 @E27co

【原文】

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