サンフランシスコを拠点とし、産業用ドローンや自律飛行機用の衝突回避システムを製造している Iris Automation は、Bessemer Venture Partners がリードしたシリーズ A ラウンドで800万米ドルを調達した。Bee Partners も投資に参加した。
2015年に設立され、Y Combinator から生まれた同社には、NASA やボーイングなどにいた技術系メンバーから成るチームがある。自律飛行機に「視覚」を提供する技術を開発しているコンピュータビジョンのスタートアップだ。
ドローン業界では一部の地域で規制が緩和されているものの、自律飛行に関して言えば、ドローンのオペレーターは、飛行機が予期せぬ障害に遭遇した際にその状況を安全にしのぎ、飛行経路を調整することのできるスマートな技術を機内に備えておく必要がある。
これこそ、Iris Automation が構築しようとしているものだ。すなわち、A 地点からB 地点に飛行するドローンその他の飛行物体を誘導することのできる「状況認識」プラットフォームである。

Image Credit: Iris Automation
自律飛行ドローンによる配送サービスはすでに商用ベースで実用化されており、多くのドローン企業が医薬品の配送、現場での調査などに取り組んでいるところだ。ラスベガスで開催された CES 2018でも多くの企業が初期段階ながらも空飛ぶタクシーの展示をしていたこともあり、Iris Automation の技術に対する需要が増していくのは明らかである。
同社の主な顧客は、自社で衝突回避ソフトウェアシステムを構築するだけのリソースを確保できていないハードウェアメーカーになるとみられる。無人飛行機を飛ばそうと考えているオペレーターにとって、最も大事なのは安全確保になるだろう(そうならなくてはいけない)。
CEO の Alexander Harmsen 氏はこのように述べた。
Iris Automation によるセンシングへのアプローチは、自律飛行の業界では試行例がありません。当社チームにはコンピュータビジョン、マシンラーニング、既存の航空業に関する専門家がいますので、航空業界では考えられないほどのスケールと価格でドローンの可能性を広げようとする際に必要な安全性レベルを備えた製品を開発することができるのです。
自律走行車の世界でも、コンピュータビジョンに特化した投資が増加している。例えば Intel は150億米ドル以上を投じてコンピュータビジョン企業の Mobileye を買収、GM はライダースタートアップの Strobe を獲得したほか、無数のコンピュータビジョンのスタートアップが VC から巨額の資金を調達している。
Iris Automation はこれまでに約200万米ドルを調達しているが、今回獲得した資金については、サンフランシスコとリノ・タホにある拠点で「拡大しつつある最高レベルのエンジニアチーム」への集中的な投資、そしてトランプ政権が最近発表した UAS 統合パイロットプロジェクトに参加するための技術整備に活用するとしている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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