上海に拠点を置くヘルスケアスタートアップThe CareVoice(康語)、200万米ドルの投資ラウンドを完了

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中国で医療と保険の改善を目指す The CareVoice(康語)は、アーリーグロースキャピタルで200万米ドルの投資を受けたと本日(1月18日)発表した。獲得資金は保険業務の拡大、技術開発の促進、中国の主要都市におけるリーダーシップの確保、東南アジアへの進出に活用される。合計評価額については明らかにされていない。

McKinsey の記事によると、中国の医療分野の支出は2011年の3,570億米ドルから2020年には1兆米ドルまで伸びると言われている。

投資ラウンドは中国とアメリカのベンチャーキャピタル Haitao Capital(海涛資本)SOSV がリードし、地元中国や東南アジアのヘルスケア分野の投資家も参加した。

Haitao Capital のゼネラルパートナー Geoffrey Handley 氏は、次のように語った。

たった2ヶ月の間に、AXA や Ping’An(平安)、Chubb といった主要企業が The CareVoice の顧客になっており、新規参入者の割合が10倍に増加し、50%以上を占めています。

Care Voice アプリのスクリーンショット

現在、The CareVoice のアプリには上海の病院や医師、中国国内の薬品とそれに対する患者のレビューがすべて中国語で登録されている。Sanofi に10年以上勤めた経験のある CEO の Sebastien Gaudin 氏は中国のヘルスケア市場がもっと信用を築くべきだということに気づき、会社を立ち上げたという。

2014年に設立された The CareVoice は、ちょうどヘルスインシュアテック分野への転換期であった2016年に Chinaccelerator の第10期を修了している。

Gaudin 氏は TechNode(動点科技)に次のように語った。

医療の民間化の傾向に乗っていくつもりです。消費者からのよりよい医療への要望に応えるため巨額の投資が行われており、民間の病院や医療機関の割合は25%から50%へと増加しました。新しい医療機関は国際的な標準に準拠し、患者中心でより透明化された医療を心がけています。

民間の保険会社や事業主もこの傾向を支持しています。こうしたことが The CareVoice のような国際的スタートアップのヘルス・インシュアテック分野への参入のきっかけとなっています。

The CareVoice は医療機関での体験や評価を共有できるプラットフォームを無料で公開している。The CareVoice と提携する保険会社の保険を受ける個人や企業には、プラットフォームへのパーソナライズされた VIP アクセスが可能で、それぞれの保険プランにアプリが対応し、医療や保険サービスを安心かつ簡単に受けることができるようになっている。

Sebastien 氏によると民間医療サービスを受けるための保険料は年額7,000~2万人民元(約12万円〜約34万円)だという。The CareVoice は SaaS の VIP 会員に対する保険会社からの保険料の一部を手数料として受け取っている。同社はまだ収益を出していないが、Sebastien 氏は今年は良い純収入が得られるだろうと期待している。

2018年には、同社は既存の保険会社に向けたモバイルプラットフォームと SaaS ソリューションの開発を加速させることに尽力し、モバイル端末を使いこなす裕福な中国の消費者から求められているヘルスプランのデジタル化に取り組む予定だ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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