CES 2018: カード製造会社のDynamics、ディスプレイと携帯電話接続機能を備えたクレジットカード「Wallet Card」を発表

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Dynamics の新しい Visa カード
Image Credit: Dynamics

クレジットカードとデビットカードには詐欺予防のためチップが埋め込まれている。Dynamics は本日(1月8日)、そんな技術よりはるかに先を行く新しい Wallet Card を発表した。

この Wallet Card はペンシルベニア州ピッツバーグを拠点とする Dynamics の最近の資金調達をリードした MasterCard など金融会社のコンソーシアムからサポートを受けている。一般的なクレジットカードのように見えるこのプラスチックカードには携帯電話チップのみならず、ディスプレイといったコンピュータのほとんどのパーツまでも埋め込まれている。

Dynamics は今週(1月第2週)、ラスベガスで行われた大規模なテクノロジー展示会 CES 2018で Wallet Card を展示した。Dynamics の設立者兼 CEO の Jeff Mullen 氏はインタビューで、この新しいクレジットカードは「前代未聞のセキュリティレベル」を備えていると語った。

同氏はこう述べる。

開発に5年以上を費やしました。従来とは比べものにならない非常に革新的なプラットフォームができたと思っています。

例えば、カード上のディスプレイでクレジットカードを利用した一番最近の買い物が詐欺だったとわかると、適正な本人認証を行い、新しいカードを銀行に申し込むとその場で新しいカードが発行される。カードの再発行のために銀行に電話をしなくてもよい。新しいアカウント番号とカード番号はカードにダウンロードされる仕組みだ。

カード紛失時や盗難届けを出した時、PIN を忘れた時などは銀行が携帯電話の接続機能を通して利用停止し、新しいカードを送ってくれる。カードは利用者のもとに宅配便で数時間以内に届けられ、利用者はカードをダウンロードすることで Wallet 機能を回復できる。このスピード感によって詐欺による被害を減らすことができ、買い物を先送りしなければいけないこともなくなると Mullen 氏は語る。

これらは、接続機能とデジタル処理機能がついたこのカードの機能の一部にすぎない。

もう一つの機能として、Wallet Card に複数のカードをひとまとめにできる。デビットカード、クレジットカード、プリペイドカード、マルチカレンシーカード、使い捨て型カード、ポイントカードなどへのアクセスが、ボタンをタップするだけでできるのだ。支払い時にカードにあるボタンをタップするだけでポイント利用やクレジット払いなどを選択できる。

発行・引渡しも簡単だ。銀行はいつでもどこでも Wallet Card を届けることができる。小売店やイベント時、さらには飛行機内でさえ利用者はすぐにカードのアクティベーションを行うことができる。カード情報は安全な無線携帯電話接続を通じてダウンロードが可能。同時に、Mullen 氏によれば、カードのハードウェア部分にはセキュリティ機能が内蔵されているという。

このテクノロジーによって消費者、発行者、小売業者のつながりがさらに強固になるだろう。Wallet Card にはいつでもメッセージを送信できる。例えば毎回の買い物の後、購入通知メッセージが送信され、デビットカードやポイントカードを利用した場合には残高も確認できる。

私たちは既存のインフラに新しいビジネスモデルを加えようとしているのです。(Mullen 氏)

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Jeff Mullen 氏(2012年撮影)
Image Credit: Dean Takahashi

利用者は不審な購買歴の通知を受け、「Not me(この買い物をしたのは私ではありません)」をクリックすることで詐欺警告設定ができ、新しいカード番号を発行できる。カードに直接クーポンを受け取ることもできる。

Wallet Card の内部コンポーネントは200以上で、Mullen 氏と彼のチームがカーネギーメロン大学時代から夢見てきた電子クレジット・デビットカードの最新形態である。同氏は2007年に Dynamics を設立。1970年代から使われている磁気ストライプ型のクレジットカードに取って代わるものを探す長い旅が始まった。磁気ストライプカードは、様々な安全性に関する危険をはらんでいた。

Wallet Card は「有機育ち」だ。というのも、再生可能エネルギー資源を使ってバッテリー充電ができる。カードにはカード・プログラマブル磁気ストライプ、カード・プログラマブル EMV チップ(多用されるようになった IC チップ付カード)、カード・プログラマブル・コンタクトレス・チップが搭載されている。これにより、ほぼどの地域でも使用可能となっている。

ディスプレイは6万5,000画素で、異なるカードや情報スクリーンをカード名義人が行き来できるユーザインターフェースが備わっている。

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Dynamics のカードそのものにディスプレイが備わっている.
Image Credit: Dynamics

Dynamics は Wallet Card コンソーシアムのサポートを受けている。このコンソーシアムには Visa、MasterCard、Sprint、JCB などを含む多くの大手銀行、決済ネットワーク、携帯電話キャリアが加入している。

Dynamics は MasterCard、CIBC、Adams Capital Management、Bain Capital Ventures などからこれまでに1億1,000万米ドルを調達している。同社が以前発表した知能型アカウントカードは現在1,000万人以上の利用者を持つ。顧客はカナダの大手コーヒーチェーン Tim Horton’s、the Upper Deck Company、CIBC などだ。

従業員数は100人、ピッツバーグにはカード製造工場がある。Wallet Card のローンチ日はまだ発表されていない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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