ケンブリッジ大学発の大規模データ分析スタートアップGeoSpock、シリーズA2でグローバル・ブレインや三井不動産らから660万米ドルを調達

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2017年12月、東京の GBAF に登壇した GeoSpock 共同創業者で CTO の Steve Marsh 氏
Image credit: Masaru Ikeda

ケンブリッジを拠点とする大規模データ分析の GeoSpock は、シリーズ A の追加ラウンドで660万米ドルを追加調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは Cambridge Innovation Capital(CIC)で、既存投資家の Parkwalk Advisors と Michael Marshall 卿のほか、グローバル・ブレインと三井不動産の 31 Ventures が参加した。

GeoSpock は2014年11月にコンバーチブルノートで546万米ドル、2015年10月にシリーズ A ラウンド(初回)で540万米ドルを調達しており、合計調達額は1,746万ドルに上る(GeoSpock のリリースでは、シリーズ A ラウンド累積調達額は1,320万米ドルとされるが、差異は適用為替レートによるものと考えられる)。

2013年、ケンブリッジ大学出身の Steve Marsh 氏と Darrin Disley 氏が設立した GeoSpock は、大規模データの分析を可能とする独自技術を開発するスタートアップだ。世界で生成されたデータの約9割は直近の2年間で生成されており、2025年までにデータ量は現在の50倍に達すると見られる。これらのデータを適切に分析することで、顧客動向の分析、予測モデルの作成、余剰生産の抑制などに応用できるが、実際には約9割のデータは活用されることなく捨てられているのだという。

2017年12月、東京の GBAF に登壇した GeoSpock 共同創業者で CTO の Steve Marsh 氏
Image credit: Masaru Ikeda

生成されたデータの多くが活用されない理由は、分析に要する時間が非常に長くかかる一方で、分析に求められる期間が短くなりつつあること、データ欠落を引き起こす収集方法、インフラコストの上昇などだ。GeoSpock では、大量のデータに含まれる短時間で分析できるエンジンを開発、人工機能技術の速度を改善し、大量データを使って新システムの習得を可能にする。主な顧客は、大規模な対話型分析から利益を享受できる、モビリティ、スマートシティ、アドテック、金融サービス、テレマティクス、電気通信業界などだ。

GeoSpock はヨーロッパやアメリカで事業展開しており、同社のウェブサイトへのアクセス統計からは、ロシアなどからの関心が高いことも伺い知ることができ興味深い。今回のグローバル・ブレインや 31 Ventures の資本参加は戦略的出資であり、GeoSpock は日本市場への事業展開に拍車かけたい意向で、すでに日本の通信会社や自動車会社と GeoSpock のソリューション導入に向けた交渉に入っているという。

同社では、スマートシティや IoE(Internet of Everthing)など次世代インフラにおけるデファクト分析エンジンとなることを目指し、自動運転車管理など未来の移動手段アプリケーションの発展に寄与したいとしている。

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