Steve Case氏率いるシード投資ファンド「Rise of the Rest」に、Reid Hoffman氏やMegan Smith氏らが参加——投資先9社を公表

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ペンシルべニア州ヨーク「Rise of the Rest」にて. Revolution の Steve Case 氏(左から2人目)と J.D. Vance 氏(左から4人目).
Image Credit: Revolution

Steve Case 氏が率いる投資会社 Revolution は最初の9つの投資を発表し、著名な起業家である Michael Bloomberg 氏や Reid Hoffman 氏を含むさらなる大物投資家を加えて、シードファンド Rise of the Rest を前進させている。

ちょうど2ヶ月前、Case 氏はシリコンバレー、ニューヨーク、そしてボストン以外でのスタートアップへの投資を目的とした1億5,000万ドルのシードファンドを発表した。既にシリコンバレーの著名な投資家やテクノロジー会社役員らがこのファンドのリミテッドパートナーに名を連ねている。

この最初の投資バッチによって、Case 氏と彼のチームが呼ぶ「触媒的な資本」にどのように貢献していく計画なのかが明らかにされている。

下記が(投資した)9つのスタートアップである。

  • AppHarvest(ケンタッキー州パイクヴィル)
  • Catalyte(メリーランド州ボルチモア)
  • Cotopaxi(ユタ州ソルトレイクシティ)
  • EngageTalent(サウスカロライナ州チャールストン)
  • Losant(オハイオ州シンシナティ)
  • SafeChain Inc.(オハイオ州コロンバス)
  • ZenBusiness(テキサス州オースティン)
  • Zylo(インディアナ州インディアナポリス)
  • Seeva(ワシントン市シアトル)

アメリカ合衆国の前 CTO である Megan Smith 氏が、巨大メディア企業 Bloomberg の設立者 Bloomberg 氏や LinkedIn の設立者 Hoffman 氏と共に新たな投資家としてシードファンドに参加すると Revolution は火曜日(2月13日)に発表した。Amazon の Jeff Bezos 氏といった名士を含む既存投資家に新規投資家も加わり、Rise of the Rest は国内でもっとも注目を集める投資ファンドの一つとなる。

9つのスタートアップは AI から SaaS、そしてブロックチェーンにいたるまで分野の多種多様性を表している。加えて、ファンドが最初に発表されたときに Case 氏が述べたように、Rise of the Rest はいかなるラウンドにおいてもリードインベスターとしての役割を務めるのではなく、むしろスタートアップを別の地域にいる投資家につなぐこと、またその逆に投資家をスタートアップにつなぐことがファンドの主な目的であるという。

シリコンバレーのような場所のメリットの一つはネットワークの密度であり、同等のものは国中を見てもどこにもありません。

VentureBeat との電話インタビューで Case 氏は語った。

Case 氏と彼のチームは4年かけて国中を巡る中で、このような多数のスタートアップに出会った。AI による人材募集プラットフォーム EngageTalent の設立者で CEO の Joe Hanna 氏が Case 氏と彼のチームに初めて会ったのは、Case 氏らが2015年にチャールストンを訪れたときであった。

Rise of the Rest はまた Hanna 氏と2つの投資会社、オハイオ州の Refinery Ventures とミシガン州の Grand Ventures を結びつけ、同2社は EngageTalent の300万米ドルの投資ラウンドに参加してくれた、と同氏は VentureBeat に語った。一方で IoT スタートアップ Losant はオハイオ州コロンバス拠点のマネージングパートナー J.D. Vance 氏を通じて Rise of the Rest とのつながりを持ったという。

しかしながら Rise of the Rest の考えは常にすべてのつながりを直接的に結ぶというものではなく、地方の投資会社もまたファンドと投資対象候補を結ぶこともある。モビリティスタートアップ Seeva の共同設立者である Diane Lansinger 氏は、同社への投資家の中に Revolution とのつながりを取り持ってくれた人がいたと VentureBeat に語った。

私は以前は採用担当をやっていたので、いつも一緒に頑張るチームのことを考えています。Revolution VC のウェブサイトを見て Rise of the Rest ファンドとそのサイズについて理解を深め、そして「これはすごいグループだ、このブレーンとネットワークは当社の大きな助けになる」と思ったのです。(Lansinger 氏)

残る疑問は、Case 氏と彼のチームが、その知名度に相応しい、良い結果を Rise of the Rest がターゲットとする幅広い分野において残せるようなネットワークを構築できるかどうかである。Rise of the Rest は投資ラウンドをリードしたり企業の取締役会に席を確保したりはしないため、ある意味では、単にスタートアップに賭けているのではなく、地方の投資会社をきちんと集めることに賭けていると言える。

Brookings Institution のシニアフェロー Mark Muro 氏は VentureBeat に e メールで次のように語った。

持続的なさらなる成長の可能性のために大物投資家を巻き込んだことも含めて、すべてのアプローチは、熱心で博識なチームを情報の流れの中に置き地方での取引を決定する助けとなっています。

この投資家の集まりをさらに深めるためには、Case 氏が言うように、シリコンバレーのより多くの企業が「観客席から出て来る」必要があるだろう。1億5,000万米ドルのシードファンドが発表され、より多くのシリコンバレーの投資家が Rise of the Rest がターゲットとする都市の会社を支援することに興味を示したが、まだやらなければならないことがあると Case 氏は VentureBeat に語った。たとえば、チャールストンを拠点とするスタートアップに懐疑的で投資を見送ったシリコンバレーやボストン、ニューヨークの企業と、EngageTalent はより踏み込んだ話し合いを行ったと Hanna 氏は VentureBeat に語った。

メンローパークのもっとも著名な会社の一つでこれらスタートアップに最初に投資を行っている Bessemer Ventures が、Zylo の930万米ドルのシリーズ A をリードしたことが数週間前に発表された

Case 氏は、シリコンバレーに対して彼が「強気」である一方で、シリコンバレーの積極的に攻めに出る文化はより多くの投資家に他の地域のスタートアップに目を向けさせることになると思うと語った。

シリコンバレーはより一層フリーエージェントのようになってきており、ほとんど傭兵文化と言っていいくらいです。一般的に人々は一つの会社に長く留まりません。そのため持続的で永続的な会社を作るのは困難になってきています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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