Y Combinator、スタートアップが適切なタイミングで適切なVCにピッチできるよう支援するプログラム「シリーズA」をひそかにローンチ

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Y Combinator via Flickr by Paul Miller

Y Combinator(YC)が最近、スタートアップによるシリーズ A の資金調達を改善するのに役立つプログラムをローンチしたことを VentureBeat は耳にした。紛らわしい名前ではあるが「シリーズ A」というプログラムを統括している YC パートナーの Aaron Harris 氏は、11月のローンチを認めた。

彼によると、このプログラムには主に2つの目的があるという。まずは、YC の企業がうまくシリーズ A の調達を完了すること。次に、ラウンドの質を向上させること。

VentureBeat への e メールで彼はこう伝えてくれた。

このプログラムにより、長期的に見て成功する確率が有意に高まると思います。

YC によると、YC 輩出企業は昨年62件のシリーズ A で5億5,000万米ドル超を調達した。しかしながら、各ラウンドを見ると、マイルストーンやタイミングといったベストプラクティスが欠けている点が共通した課題となっていることに気付いたという。

YC スタートアップに向けた内部フォーラムに Harris 氏は次のように投稿している。大きな問題は、設立者が誤った目標を追求しているうちにエンジェルラウンドで得た全資金を使い果たすことが多いことだという。つまり、シリーズ A のプロセスを開始したときには、計画されていたマイルストーンを達成したかどうかに関わらず、キャッシュがなくなっている状態に陥っているのだ。

YC の Sam Altman 社長も同じ意見のようだ。パリの Station F スタートアップキャンパスとの最近のインタビューの中で、有名なプログラム出身のスタートアップが全て、資金調達の準備ができているとは限らないと述べていた。

Y Combinator 輩出企業であることについては、ある種の権威があると思います。そこで、調達すべきでない資金も調達してしまっているわけです。(中略)資金を調達するというのは本当の意味でのコミットメントですし、現在取り組んでいることがその方向に向かう前にもうまくいっているという証拠が欲しいのです。

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YC president Sam Altman.
via Flickr by TechCrunch

というわけで、YC はシリーズ A のプロセスを科学的なものに変える試みを行っている。ただ、3ヶ月間のアーリーステージプログラムとは異なり、YC はシリーズ A をバッチモデルとしては運営しないと思われる。

Harris 氏はこのように説明する。

プログラムはバッチで運営したいのですが、一群になると企業はシリーズ A のマイルストーンに到達できないことがわかっています。企業が助けを求めているときに私たちが手助けするようにしたいのです。それが一番いい手助けの方法です。そうするとプログラムを継続的に運営できるでしょう。

このプログラムの最も活発な期間は1~3ヶ月だという。その時期、企業が最適なプロセスを進む手助けに集中する。それは、話をする適切な投資家を見分け、ピッチを構成して仕上げ、交渉中に助言をすることだ。

こうした YC 出身の設立者らは大学を卒業したばかりの20代の若者であることもあり、シリコンバレーにいるトップクラスの VC へのアプローチ方法やピッチの方法を知っているとは限らない。

Harris 氏はフォーラムへの投稿で次のように述べている。

VC が適切な人から、適切なタイミングで、適切なピッチを聞けるようにしたいと思っています。実は何を求めているのか十分に認識していない起業家によるピッチからは半分しか収穫がないという不満を多くの投資家が抱いているのを聞いています。それは皆にとって不幸なことです。

スタートアップがシリーズ A で調達すると、YC の Continuity Fund は最初の分け前を得るかと聞かれた Harris 氏は、それを否定した。成長ラウンドに焦点を当てているからだ。実際、Continuity Fund は12月にレイトステージスタートアップ向けの成長プログラムをローンチした。これは、従業員50~100人のシリーズ A ラウンドを終えた設立者向けに設計されたものだ。

この10年以上の間、YC はシード資金の提供や、デモデイでスタートアップらがきちんとピッチできるようアドバイスを行ってきた。今回シリーズ A プログラムができたことで、YC は成長中のスタートアップらの面倒もみたいとしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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