宿泊権利売買の「Cansell」、ホテルや旅館へのエンゲージメントと認知度向上を狙い提携プログラムを導入へ——ノーショー時の料金保証も提供

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東京に本拠を置くスタートアップ Cansell は、泊まれなくなった際のホテルの宿泊予約の権利売買ができる「Cansell」を提供している。同社は26日、ホテルや旅館向けに提供する「Cansell パートナープログラム」の概要を発表した。

このプログラムは、宿泊権利売買サービスの「Cansell」のサービスに賛同するホテルや旅館に無料で提供される。Cansell パートナープログラムに参加したホテルや旅館に提供される優遇内容は、キャンセル保証、キャッシュバック、公式サイトへの送客(Cansell サイトからホテルや旅館の公式サイトへのリンク)、提携サービスの利用優待など。実際のサービス開始は今年6月ごろを予定している。

このうち、キャンセル保証は、オンライン予約など宿泊料金の事前支払などが無い状態で、ノーショー(予約をした人がキャンセルの連絡もないまま現れないこと)となった場合の料金の一部をホテルに補填するサービス。具体的な条件についてはこれから定めるとのことだが、Cansell を通じた予約で無い宿泊予約についても保証対象に含めるようだ。なお、このサービスは、「favy」「CASH」「Rentio」などのオンラインサービスにリスク保証を提供するフリークアウト・ホールディングス(東証:6094)の子会社 Gardia(ガルディア)との業務提携により実現させる。

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また、提携サービスへの利用優待は、一般企業やスタートアップ向けに提供されるクラウドサービスの優遇メニューと同様のものだ。現在、ビザ取得代行の「one visa」、完全食の「BASE FOOD」、クチコミ一元管理の「TRUSTYOU」、ケーキや花束手配効率化の「CAKE.JP」、人事労務クラウドの「SmartHR」が優遇サービスとして掲出されており、サービスが開始される6月までには、さらに多くのサービスが追加される可能性がある。

Cansell のサービスは、宿泊予約したものの宿泊予定が無くなってしまった人が宿泊権利を出品、他方、宿泊するホテルを探しているユーザがそれを安価に購入できるサービスだ。宿泊権利は購入者から出品者への名義変更で完了するため、ともすれば、ホテルや旅館は Cansell の存在さえ知らないまま、サービス提供が完結してしまうこともあり得る。今回の Cansell パートナーサービスは、そんな弱点を補い、Cansell のホテルや旅館とのタッチポイントを増やしたいという意図が背景にあるようだ。

Cansell は、映画専門のクーポン共同購入サービス「ドリパス」(その後、ヤフーが買収)でプロダクトマネージャーを務めた山下恭平氏らが2016年1月に設立し、2016年9月にサービスをプレビューローンチ。昨年1月には、DG インキュベーション、カカクコム、大和企業投資、イノベンチャーから4,000万円を調達、また、昨年4月には ONLab 第14期プログラムのデモデイで優勝した。昨年末の IVS Connect では、マイレージ現金化サービスを提案し、ANA 賞を受賞している。

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