欧州のモバイルバンクN26、テンセントやアリアンツらから1億6000万ドルを調達

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Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat

モバイルバンキングスタートアップ N26 は、Allianz グループの投資部門 Allianz X と中国のテック大手 Tencent が主導するシリーズCラウンドで、1億6000万ドルを資金調達した。既存の投資家も参加している。2013年にNumber26 という名でベルリンで創業した同社は、2年前にはN26と名前を変えて、自社で銀行業の許可も取得した。

同社は欧州内17のマーケットに85万の顧客を有し、Android と iOSアプリでアクセスできるオンラインのみの銀行口座を提供する。N26 が約束するのはスピードと効率性だ。数分の申し込み作業で、口座を開けると謳う。

N26 は、シリーズAラウンドを主導したピーター・ティール氏のValar Ventures含めて、これまで著名な投資家から5500万ドルを調達した。今回新たに調達した 1億6000万ドルをもって、グローバルでの成長を加速したいと述べている。

N26 は、今年後半には米国でローンチする予定であることをすでに発表している。また、今年中には英国でサービスを導入する計画もある。

長期的な目標は、2020年末までに顧客数を500万名までに伸ばすことだ。

戦略的投資

金融サービス大手のAllianzの出資を得たことは、N26にとって大きな勝利となった。この戦略的投資が、この先のさらに統合されたサービスへと発展するのであればなおさらだ。

新興のフィンテック企業は大手の同業者にとって魅力的な存在である。大手企業に対して、イノベーションと優秀なテック人材へのアクセスを提供するからだ。スペインの銀行大手BBVAもまた、4年前に1億1700万ドルで米フィンテックスタートアップSimpleを買収している。

一方で、AllianzはN26を、単に保険商品のような自社プロダクトのいくつかを販売することができる完璧なチャンネルとみている可能性もある。

N26は、今後多様なフィンテックとサービスから成る現代の銀行を築く計画であることを名言している。P2P送金サービスのTransferWiseとも提携し、Vaamo とともに投資製品を新たにローンチしたり、Raisinと預金口座を作るなどしている。ドイツの保険プラットフォームClarkと提携して、保険商品もすでに提供している。

世界でもっとも価値の大きなテック企業の一つであるTencent は、説明する必要はないだろう。同社はこれまで、TeslaからSnapにいたるまで、世界中の何百という企業に投資をしてきた。同社のテック界隈におけるコネクションと経験は、N26にとっては特に魅力となるはずだ。とりわけ、「銀行のエクスペリエンスをよりスマートに、よりパーソナライズされたものにする」ためにAIへの投資に意欲的なN26にとっては特に。Tencentは、これまで重点的にAIに投資してきた実績がある。

(本記事は抄訳になります。)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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