
ドイツの運輸会社 FlixBus は過去5年間かけて、バス旅行を再び魅力的なものにしようと取り組んできた。そんな同社が本日(3月6日)、鉄道に特化した新たなサービスをローンチすると発表した。
黄緑色が特徴の同バスは、低運賃やデジタル予約、映画や Wi-Fi などのアメニティの充実により、今やヨーロッパ地域において当たり前の存在となった。そして、親会社の FlixMobility は、 新サービス「FlixTrain」を立ち上げ、バス事業で培ったサービスの多くを鉄道業界に持ち込もうと模索している。
FlixBus の共同設立者でマネージングディレクターの Jochen Engert 氏は以下のように語った。
弊社は鉄道業界に注目しており、運営方法や利用客について入念に調べました。その結果、鉄道はバスの拡大版に過ぎないと確信したのです。
FlixBus は現地のバス会社と提携し、同社のスケジューリングやチケット発行システムを提供することで運営されている。また、FlixBus ブランドの付与、バスによる環境保護への貢献も果たしている。Engert 氏によると、ヨーロッパ各地の規制解除により、デジタルシステムやマーケティングに投資する資産がない小規模の会社が、次々とバス事業に参入したという。
本国ドイツにおいては鉄道システムが自由化されており、他のヨーロッパ諸国も自由化の完了、もしくは規制撤廃に向けて検討中である。同社は FlixTrain において現地の鉄道会社と提携するという、バス部門のサービスとよく似たモデルを採用する予定で、FlixBus ブランドの知名度を活かし、利用客を新たな鉄道サービスへと呼び込む狙いだ。
競争に参加しようとした民間の鉄道会社は存在します。しかし、ブランドの構築ができず、列車内を乗客で埋めることもできず、非常に苦戦していたのです。(Engert 氏)
当面の間、FlixTrain の利用はドイツのみ。正式なサービス開始は3月24日で、ルートはハンブルグ-デュッセルドルフ-ケルンとなっている。2018年の4月末までに行き先を国内28ヶ所まで増やすことを目標にしている。
この新サービスのほかに、FlixBus は年内のアメリカ進出も準備しており、西海岸が運行開始の候補地だとしている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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