東南アジアの大手オンデマンド輸送・モバイル決済プラットフォームの Grab は本日(3月9日)、oBike や GBikes、Anywheel、Popscoot など複数の自転車シェアリング、e スクーターブランドを単一プラットフォームに統合するマーケットプレイスアプリ「GrabCycle Beta」を公開した。
このパイロットプロジェクトは、最新のモビリティと決済のコンセプト実験を行う Grab のイノベーション部門 Grab Ventures が実施する。
Grab は戦略的な提携の一環として、セントーサ開発公社(SDC)が初の GrabCycle Venue Partner になることも発表した。セントーサ島一帯には GrabCycle 専用の自転車駐輪場が設置されるため、ユーザは島内のどの場所でも簡単に駐輪場を見つけることができる。
また、Grab はシンガポールの地元企業で同国最大のサプライチェーンソリューション企業 YCH と提携した。これによりパートナーとの提携先で駐輪場を適切に管理し、GrabCycle 自転車のバランスを図る。
このマーケットプレイスアプリは、シンガポールでのキャッシュレス決済の促進に向け、GrabPay Credits ユーザ向けに設計されている。ユーザは設定に際し、GrabCycle アプリをメインの Grab アプリにつながなくてはならない。
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SDC のアシスタントチーフエグゼクティブ Jacqueline Tan 氏は次のように述べている。
観光客がセントーサ島の美しい場所を訪れ、純粋な自然環境を楽しんでいただくのに、サイクリングは最適な手段です。自転車専用道や散歩道といったネットワークも今では整備されています。GrabCycle を通して、より便利に自転車にアクセスしていただけるようになることで、ユーザの島内でのモビリティが向上しますので、この島にある隠れた魅力を発見してもらえるでしょう。GrabCycle との提携は、昨7月に SBS Transit の Service 123がセントーサ島に延伸されるなど多くの旅行客を引き寄せようという最近の取り組みを増強するものでもあります。
シンガポールでは、自動車で通勤する人の約5人に1人が走行距離3km 以下である。Grab によると、同国での自動車に頼らない野心的な取り組みの支援を受けつつ、通勤客のうちこのセグメントを自転車シェアリングユーザに転換させる可能性には大きなものがあるという。
Grab の社内調査では、自転車シェアリングアプリの利用を考えるうえで、ユーザの69%が自転車の見つけやすさを重視すると回答した。Grab は自転車およびモビリティ機器のアクセス向上に向け、複数のブランドから成る集合的なネットワークを開発することにしたようだ。
同社は Uber の東南アジア事業買収手続きの最終段階に入っており、今週もしくは来週(3月第2週または第3週)にも提携に合意すると報じられている。
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