手が届く価格帯「家にぴったりの家具」が目指す生活体験ーーユアニチャーがジェネシアVから資金調達、クラウドファンディングも

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ユアニチャー代表取締役の峯浦望氏

家具のオンライン受注生産サービス「Yourniture(ユアニチャー)」は3月2日、第三者割当による増資実施を公表した。引受先となったのはジェネシア・ベンチャーズで、調達した資金は3000万円。同時に同社サービスの正式公開も伝えている。調達した資金で人材強化を進める。

Yournitureはオンラインで注文できる「パーソナライズド家具」販売サービス。ユーザーが家具のデザインと色、サイズを範囲内で設定すると、その制作に必要な図面や指示書を自動生成した上で指定工場にて製作してくれるD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)モデル。

「SIMPLE BOX」

現時点で指定できるデザインはカラーボックスタイプの「SIMPLE BOX」のみで、サイズは範囲内1センチ単位で設定できる他、色も10色から選ぶことができる。価格は条件を指定するとオンライン上でリアルタイムに確認ができる。送料は配送場所や家具の大きさによって別途必要になる。

また同社は今回のリリースに合わせてシェルフタイプのデザイン「MAIN SHELF」も公開しており、こちらはクラウドファンディングサービスでの資金集めもスタートさせている。同社代表取締役の峯浦望氏の話では、今後、デザインについては10種類程度の拡張を検討しているということだった。

手が届く価格帯「ぴったりの家具」が提供する生活体験

「MAIN SHELF」

ネットやスマホの普及が進む中、私たちのライフスタイルの中で大きく変わったことのひとつに「流動性」があるように思う。モノは固定のものをずっと保有するというよりは必要な時だけオンデマンド的に使う場面が増えたし、不要になった場合は手軽にマーケットプレイスで交換(シェア)できるようになった。つまり、その時々に応じて自分の生活にあったモノやサービスを選択しやすくなった、とも言い換えることができる。

一方で動かしづらいものもある。今回ユアニチャーが取り組む家具もその代表格だろう。もちろんこれまでもオーダーメイドの家具はあったし、ファストフードならぬ、ファスト家具のような廉価の家具類もだいぶ増えてきた。しかし、当然オーダーメイドは高価だし、ファスト家具では微妙にサイズや色合いが合わなくても我慢して使うしかなかった。

ユアニチャーはそのちょうど中間点、極めて「サービス的な家具」というような体験をついてきたように思う。その時々のライフスタイルに合わせてぴったりの家具を手軽に注文できるし、組み立て式なので、引越しの際にはバラして持っていくこともできる。峯浦氏の話では、今後、モジュール的な要素も取り入れて、販売後も住居に合わせて組み立てられるような仕組みも取り入れるということだった。

素材についても価格を抑えるために高級素材を使わず、またなるべくCO2を排出したくないという環境的な視点も考慮して木材チップを使った集合材を使っている。一方で塗装については日本市場向けのピアノなど、楽器塗装を手がけるような技術力の高い工場を選んだ。

峯浦氏は新卒でヤフーに入社してデジタルマーケティングやブランディングキャンペーンに携わり、その後、KAMARQにてサービス接続型の家具という新しい分野にチャレンジをした。その際、赴任していたジャカルタで家具制作のノウハウを学び、ユアニチャー創業のヒントを得た。現在は10名ほどの体制で新しい家具制作の体験づくりにチャレンジしているそうだ。

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