複数仮想通貨対応ウォレットアプリ「Ginco」、iOS向けに正式リリース——DEXやdApp向けの統合インターフェイスを目指す

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Ginco
Image credit: Ginco

東京を拠点とするブロックチェーンスタートアップの Ginco は24日、複数の仮想通貨に対応するウォレットアプリ「Ginco」の iOS 版を正式にリリースした。AppStore からダウンロードできる。同社は今年1月に資金調達した際、Android 版の開発についても明らかにしており、こちらのリリースは5月中の見込み。

日本においては、購入した仮想通貨を取引所に〝預けっぱなし〟にするユーザが多い中、Ginco では安全面からも自身が保有する仮想通貨は自身で保有することを提言。そのためのウォレットアプリとして、Ginco を開発している。正式リリース時点で対応している仮想通貨は、Bitcoin、Ethereum、EOS、TRON、OmiseGO、DigixDAO、Status network、Augur、Zilliqa、0x、Kyber Network、Decentraland の12種。アドレスの指定により、これらの仮想通貨の入金、送金、管理が可能になる。

Ginco の創業者で代表取締役 CEO の森川氏によれば、アプリの UI/UX の追求には特にこだわっているそう。ウォレットアプリ「Bread」などもベンチマークしているが、日本語でサポートを提供でき、どこから(どのアプリやサービスから)の入金や送金か、履歴が事細かに記録されるのも特徴だ。また興味深いのが、アプリ上でのユーザ認証(バックアップキー)に、ユーザ ID やパスワードではなく複数の質問に対する回答(日本語12単語)が使われる点。使い勝手と安全性の両方を担保するための工夫で、日本でも一時期人気を呼んだアプリ「アーキネータ」に似た個人を特定するロジックを採用しているようだ。

Ginco
Image credit: Ginco

Ginco は今後、複数の DEX(非中央集権型取引所)や dApp(非中央集権型アプリ)のインターフェイスとしての位置付けを目指すとしている。ユーザ視点から言えば、複数の DEX や dApp とのやりとりは統合されたインターフェイスで操作できた方が使い勝手が良いし、仮想通貨のポートフォリオを管理しやすい。DEX や dApp 側は重要かつユニークな機能の提供に注力し、ユーザのインターフェイスをウォレットなどのアプリに依存する役割分担が進むかもしれない。

Ginco では、なるべく外部サービスやサードパーティのサービス API などに依存せず、スクラッチでアプリを作り上げることに注力している。スクラッチで作り上げるには必要なすべての技術を内製的に網羅する必要があり、駆け出しのスタートアップにとっては工数的にもスケジュール的にも困難を伴うが、不確定要素を排除することで、将来のことを見据えた安定かつ安全な環境を担保しているそうだ。

Ginco では今回のウォレットアプリのローンチを記念して、明日25日に東京・恵比寿でイベント「ブロックチェーンが実現する分散化された社会」を予定している。Ginco の森川氏のほか、Etheremon、Zilliqa、Primas など、仮想通貨分野の人気コミュニティの創業者や開発担当者が一堂に会する予定だ。参加希望者は、Peatix 上で事前にサインアップすることができる。

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