ブロックチェーンのストック写真マーケットプレースを開発するWemark、写真家とユーザーを直接つなぐ

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Image Credit: Wemark

ストック写真は大きな市場だ。Shutterstockは2017年に売り上げが12.7パーセント上昇して5億5710万ドルに達したことを、Getty Imageもまた2017年9月時点でそれまでの12ヶ月の収入は8億3680万ドルだったことを発表している。

こうした企業は、購入者と写真家の間で仲介者の役割を果たしている。この状況は、写真家は作品を使いたい人と直接つながるべきであると信じる人々にとっては腑に落ちないものだ。

4月26日、ブロックチェーンベースでデジタル作品の分散と取引システムを開発しているWemarkは、クリエイターが作品のライセンスを直接顧客に付与できる、ブロックチェーンによるマーケットプレースを発表した。

ブロックチェーン技術を通じて、Wemarkはクリエイターと顧客間の直接取引をサポートすることを通じて、既存のエージェンシーやストック写真のマーケットプレースを置き換えることを目指している。ブロックチェーンベースの自律的なプロトコルが、決済、ライセンスの発行と登録、作品自体へのアクセスの提供、変更不可能な予め定められた規約に基づいた収益の分配、といった手続きをする。

WemarkのCEO・共同創業者のTak Kaish氏は取材に対して次のように話してくれた。

「デジタルコンテンツは、何億というクリエイターと顧客がいるにも関わらず100社未満の企業がその流通の大半をコントロールしている、とりわけ中央集権的な業界です。

ブロックチェーンのテクノロジーは、こうした新世代のマーケットプレースが巨大なパワーとコントロールを持つことを防ぎます」

それでは、写真家はどのように自分の権利やアクセスをコントロールできるようになるのだろうか? Kaish氏は言う。

「現在の主要なエージェンシーとは異なり、写真家は自分の写真の値段を管理することができます。作品がマーケットプレースに承認されると、ブロックチェーン上に登録され、値段やライセンスの種類、クリエイターによって選択された制限が付与されます。購入者はスマートコントラクトに対して直接トークンを送り、その後プロトコルが自動的にライセンスを登録して、作品に直接アクセスできる権利を発行します」

同社は、取引手数料を大幅に削減したいと考えている。

「写真の値段は、一件のライセンスにつき0.5ドルから500ドルとなるでしょう。取引手数料を(平均的に85パーセントから15パーセントへ)削減することによって、写真家は既存の分配チャンネルを通じて取引するのと比べて2-4倍多くの収益を作れると予測しています」

今回のローンチは、同社にとっては最初の一歩に過ぎない。

「写真のあとは、イラストレーション、動画、3Dモデル、ストック音楽、グラフィックアセットなど、新しい領域でローンチしたいと考えています。この経済を拡大させて、ネットワーク上でより多くの参加者が自分の作品を制作し、キュレーションし、宣伝できるようにする予定です」

(本記事は抄訳になります。)

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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