企業内通貨プラットフォーム開発のゼロビルバンク、アビームと企業内のイノベーション活性化に向けたインセンティブスキームのPoCを開始

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.4.20

(左から)アビームコンサルティング 金融・社会インフラ ビジネスユニット ディレクター 小山元氏、ZEROBILL BANK JAPAN 代表取締役 堀口純一氏
Image credit: Zerobill Bank Japan

ZEROBILLBANK JAPAN(ゼロビルバンク・ジャパン、以下 ZBB と略す)は東京に拠点を置き、企業内通貨を発行・管理するプラットフォーム「ZBB CORE」や、企業内通貨を利活用するためのモバイルウォレット「ZBB WALLET」を開発・提供するスタートアップだ。

ZBB は先ごろ、NEC 傘下のコンサル大手アビームコンサルティングと共同で、企業内通貨を使った社内イノベーション活性化に向けたインセンティブスキームの実証実験を今月から開始したことを明らかにした。アビームではこのスキームの有効性を検証した後、顧客企業からの要望に応じて、当該企業への導入を目指したい考えだ。

スタートアップなどでは、十分な資金が無い段階で優秀な人材を確保する場合、重要社員へのインセンティブとしてストックオプションを付与することは珍しくない。改めて説明するまでもなく、ストックオプションは一定条件下で社員が株式購入権を行使できる制度で、自社の企業価値が上昇すれば上昇するほど、含み益や現金に転換したときの報酬額が多くなり、株式保有に代わるインセンティブスキームとして機能している。

一方、企業内起業(俗に intrapreneurship と呼ばれる)や社内の新規事業開発部門においては、プロジェクトに着手してから成果が出るまでには時間を要し、社員にとっても企業にとっても、成果が出る前の段階での報酬額への反映など直接的なインセンティブの付与が難しい。社内の他部署の有識者の支援を得たい場合には、メイン業務の合間を縫って協力を仰ぐことになるため、当該部署の上長の理解が得られなかったり、当該有識者のモチベーションにつながなかったりすることがある。

ZBB とアビームはこのようなニーズに即して、ZBB が持つ企業内通貨プラットフォームを活用した、インセンティブスキームの開発と導入を始める。

アビームコンサルティングで、金融・社会インフラビジネスユニットのディレクターを務める小山元氏は、THE BRIDGE のインタビューに対し、次のように語ってくれた。

働き方改革では、RPA(Robotic Process Automation)に代表されるような仕事量を減らすアプローチが多く持ち出され、創造的な仕事を増やす方の施策は少ない。

一方で、会社員は人生の中で、特に大企業の中ではチャレンジ精神があっても、何か新しいことをするのが難しい。個人の考えや努力が、個人には還元されにくいところがあるからだ。ZBB とのインセンティブスキームでは、そのような課題にアプローチしたい。

企業においては、労務管理や福利厚生のしくみがすでに回っていることがあるので、リワードや制度の設計では、それらとのつなぎこみをうまくやる必要があると考えている。

ストックオプションになぞらえて「トークンオプション(仮称)」と名付けられたこのスキームは、ZBB のプラットフォームが提供するトークン発行と付与のしくみと、主にアビームが提供するリワード設計により構成される予定。具体的には、例えば、部署横断で推奨されるべきナレッジシェアに対して、目前のプロジェクトの直接的な売上にはつながらないので評価されにくい中、社内システムへの投稿内容、リプライの有無、いいねの数などに応じて、トークン付与するようなケースが想定される。

国内3,000人、ワールドワイドで5,000人の社員を擁するアビームでのフィージビリティスタディは半年程度を想定しており、その結果に応じて、最終的には、アビームの顧客企業を皮切りに一般企業に同スキームが導入されることが期待される。アビームとしては現時点で具体的な KPI は持っていないとしており、「まずはアビーム内部を変容させられるかどうかが一つの評価指標になり、既存の評価システムとの整合性が取れるかどうかが PoC の第一歩になるだろう(小山氏)」とのことだった。

ZBB は2015年2月、IBM シンガポール出身の堀口純一氏によりイスラエル・テルアビブで創業(ZEROBILLBANK LTD. として)。2015年6月にサムライインキュベートから10万ドル、2016年6月までに匿名エンジェル複数から資金を調達している。先月にはベネフィット・ワンと提携し、ZBB CORE とベネフィット・ワンのポイント制報奨制度「インセンティブポイント」のサービス連携を開始している。

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