
シンガポールで仮想通貨の分散型取引所の設立を予定するスタートアップの ZPX は本日(4月5日)、シードラウンドにて130万米ドルを調達したと発表した。このラウンドにはシンガポールを拠点とする VC 会社の SeedPlus、シリコンバレーを拠点とする Milliways Ventures などが参加した。
Square のプロダクト・エンジニアリング・リーダーである Gokul Rajaram 氏、Freshdesk の CEO である Girish Mathrubootham 氏、India Quotient の共同設立者 Anand Luina 氏、インドの金融サービス企業 Zerodha の Nithin Kamath 氏もこのラウンドに参加した。
バンガロールにも支社のある ZPX は、今回の投資を新製品の開発とローンチおよびシニアメンバーの採用に利用するという。同社の1番の狙いはインドとシンガポール市場だが、今後10~12ヶ月かけて UAE、インドネシアや残りの東南アジア地域にも拡大していく予定。
集中型取引所と異なり、分散型取引所は1つの存在によって統合されてはいない。その代わり、分散型取引所は仮想通貨そのものと同じように分散した元帳の上で機能する。つまりこの構造では分散型取引所はユーザの資金や地位、情報を把握せず、単に取引注文のマッチングとルーティングの層として働く。
ZPX の共同設立者で COO の Aditya Mishra 氏は e27に対しこう語ってくれた。
集中型取引所は単一点障害を引き起こすため、世界中の集中型仮想通貨取引所を狙ったハッキングについてよく耳にするのです。集中型取引所のニーズも理解できますが、これから2~3年間、仮想通貨がウォレットからウォレットへ分散型取引所を通じて取引されることに多くの価値があると信じています。
ZPX の分散型仮想通貨取引所 ZenRelay では、仲介者不要のトラストレスな取引が可能で、透明性も高く、取引所間で流動性の共有もできる、と Mishra 氏は主張する。
同スタートアップは数多くのトークン製品も開発しており、Ethereum 上の ERC20トークンである108 Token は上位15のトークンアセットに独自のインデックス化方式に基づいて毎月動的に適応するという。
SeedPlus のパートナーである Michael Smith Jr 氏はこう語る。
SeedPlus はブロックチェーンと仮想通貨がトークンのような投資可能な形で、金融市場に新たな機会を生み出すと見通しています。また、スタートアップや既存の企業がトークンをローンチするためのプラットフォームはインターネットのインフラにとっても取引所が流動性を保つためにも重要な要素になってくるでしょう。ZPX はアジアでこの流れの最前線にいます。今回彼らに投資を行いチームのビジョン実現をお手伝いすることを楽しみにしています。
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