
中国の購買者はついに、自分が購入した製品が偽物または合法かどうかの答えをスマートフォンでコードを読み取るだけで分かるようになる。
これは、アリババが始めたばかりの新しい試みの一つだ。改変不可能なブロックチェーンデータベースを活用して、製造者から消費者まで食品が移動する経路を追跡するというものだ。
中国のオンラインショッピング大手のアリババは、当初この偽装検知機能を、オーストラリアとニュージランドから輸入した食品に対してテストで使っていた。アリババの担当者が Tech in Asia に回答した内容によれば、二つの製品のみがトライアルの対象だった。
製品が中国の購買業者の元に届くと、彼らは特別な QR コードをスキャンする。するとブロックチェーンのデータベースがそれが本物の製品かどうかを示すという仕組みだ。
このプログラムの目的は、ブロックチェーンデータベースを活用して「エンドツーエンドのサプライチェーン追跡と透明性を実現して、消費者の信頼を高め、国境を超えた貿易における信頼度の高い環境を構築すること」であるとアリババは声明で伝えている。
ブロックチェーンのユースケースが増えるとともに、2018年は世界中の企業がこのテクノロジーに対する投資を倍増させ、その額は21億米ドルに達する見込みだ。IDC のレポートによれば、その額は2021年には97億米ドルにまで達すると予測される。
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偽物の卵
アリババのパイロットプログラムは、中国における偽装食品の問題を解決する上で最初の小さな一歩にすぎない。偽造の醤油、米、卵は、過去に販売されたことのある命にかかわる恐れのある食品だ。この偽造卵は、2012年に発見されたものだ。

Photo credit: China Daily
ミシガン州立大学の研究によれば、こうした偽装食品が世界の食品業界にもたらすコストは400億ドルになるという。
だが、海賊版 DVD やデザイナーハンドバッグの模造品、高級化粧品を真似たものなどと同様に、偽装食品はアリババにとって悩みの種となっていた。Taobao や Tmall といったマーケットプレースで、偽装食品が販売されているケースがたびたび見られたからだ。
アリババとそのファウンダーのジャック・マー氏は、こうしたあやしい販売者の排除に努めていたが、10年近くに及ぶ取り組みにも関わらず、アメリカ合衆国通商代表部の偽造品ブラックリストに掲載されることもたびたびだった。今回の自動システムは、購入者が製品を目にする前に偽造製品を削除する上で効果を発揮し、捜査依頼率は25パーセントほど低下するだろうとアリババはコメントしている。
アリババのブロックチェーンの取り組みは、この最初のトライアル以降拡大する予定だ。
「パイロットプログラムが完了し、成功した場合には、この取り組みはアリババグループの e コマースマーケットに共通するグローバルサプライチェーンモデルの土台となる可能性があります」と同社は述べている。
(本記事は抄訳になります。)
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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