リーガルテックのクラスアクション、集団訴訟ポータルサイト「enjin」をローンチ——500 Startups Japanなどから6,000万円をシード資金調達

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Image credit: Class Action

東京に拠点を置くリーガルテックスタートアップのクラスアクションは21日、集団訴訟ポータルサイト「enjin(エンジン)」をローンチした。同社はあわせて、シードラウンドで 500 Startups Japan と匿名の個人投資家1名から総額6,000万円を調達したことを明らかにした。

商品やサービスの詐欺行為の被害など比較的少額の賠償を求める訴訟では、むしろ訴訟のための弁護士費用の方が多くかさんでしまう傾向にあり、訴訟が成立しにくい。また、弁護士費用を構成する着手金と報酬金(概ねで勝ち取った金額に比例する)のうち、報酬金も大きなものにならないため、弁護士にとっても仕事を引き受けるモチベーションが生じにくい。

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Image credit: Class Action

enjin では同じ被害に遭った被害者を、クラウドファンディングのキャンペーンのような要領でオンライン上でマッチング・組織化し、enjin 上に登録された弁護士がその被害案件の訴訟を引き受ける。案件の一例を挙げると、コインチェックで仮想通貨の盗難被害に遭ったユーザ、レンタル振袖「はれのひ」の事業停止により成人式で振袖を着られなかった顧客、シェアハウス「かぼちゃの馬車」のスマートデイズの経営停止で負債を抱えたシェアハウスオーナー、漫画村に自身の作品が無断掲載された漫画家など。

クラスアクションの CEO で弁護士の伊澤文平氏によれば、enjin の訴訟案件は、当初は enjin が呼び水的に案件を掲げるものの、基本的にはクラウドファンディングと同様に、ユーザ本位で案件が提起されることを想定しているそうだ。「××被害者の会」などのキーワードでオーガニックなユーザ流入を促し、enjin 上では弁護士がイニシアティブをとってユーザの意見を整理しやすい仕掛けを用意することで、集団訴訟をスムーズに成立させる。

クラスアクションのチームと投資家の皆さん。前列左から2人目が CEO の伊澤氏
Image credit: Class Action

伊澤氏自身、企業向けのサービスを提供する法律事務所を長年経営してきたが、個人からの相談も増えつつあり、費用などの点から折り合いがつかずに引け受けらなかった案件も少なくないそうだ。しかし、弁護士としては費用の点のみだけでなく、司法に救いを求める被害者を助けたい思いは常にあった。近年、国としても集団訴訟を促す動きがみられ、クラウドファンディングのしくみの台頭、また、最近の弁護士の急増から仕事の無い若手弁護士が増えていることなどから、需要と供給をマッチングさせる方法として enjin を思い立った。

伊澤氏とともにクラスアクションを率いるのは、弁護士ドットコム出身の堀江和敬氏(COO)と監査法人トーマツ出身の村田光司氏(CFO 兼公認会計士)だ。現在10名ほどが enjin の運営に関わっていて、すでに enjin への参加を表明している弁護士は15名ほど(口約束のレベルでは、その数倍の人数とのこと)。今後は、寄付金サイトなどとも連携して、集団訴訟の着手金を一般市民が寄付できるようにすることで、集団訴訟がより成立しやすい環境づくりなどにも注力していきたいとしている。

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