Mobike(摩拜単車)共同設立者兼CEOのDavis Wang(王暁峰)氏が辞任、後任にHu Weiwei(胡瑋煒)氏

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Mobike の CEO を退任するDavis Wang(王暁峰)氏

Xiaomi(小米)の組織変更の後、自転車のレンタルプラットフォーム会社 Mobike(摩拜単車)も一部人事異動を行った。Mobike はDavis Wang(王暁峰)氏が CEO を退任し、同社の設立者である Hu Weiwei(胡瑋煒)氏が後任を務めると発表した。

Wang 氏は Uber Shanghai(優歩上海)でゼネラルマネージャーを務めた後、2015年に Mobike を共同で設立した。社内文書の中で同氏は、会社を離れ家族と過ごす時間を増やすと述べているが、今後もパーソナルアドバイザーとして Mobike に留まる予定だという。同社の社内メモには次のように述べられている。

Davis 氏に心より感謝を申し上げます。当社は過去2年間にわたり、2億人を超える Mobiker(ユーザ)にサービスを提供し、15ヶ国・200都市以上に進出を果たしました。ここまで来れたのも、Davis 氏のリーダーシップがあったからこそなのです。同氏には新たな役割の中で、引き続き Mobike の発展に寄与して頂きたいと思っております。

この辞任に関するニュースは、中国最大手の O2Oプラットフォーム Meituan Dianping(美団-大衆点評)が4月4日に、Mobike を27億米ドルで買収すると発表してから、わずか1ヶ月足らずのことである。この買収劇は多くの憶測を呼び、苦境に立たされていた。Mobike の経営チームが近々同社をイグジットするというニュースが報じられたが、Meituan Dianping の CEO である Wang Xing(王興)氏はこれをすぐに否定。Xing 氏は社内文書で、リーダーの変更を一切行わず、Meituan から独立して Mobike ブランドの運営を継続していくと話していた。また、TechNode(動点科技)中国語版で、人材流出を防ぐためか Mobike スタッフの給与を増額することも明らかとなっている。

Wang 氏が Meituan による買収に否定的だったのは周知の事実であり、それが CEO を退任した理由の一つではないかと広く考えられている。 当時のメディア報道によると、同氏は独立企業として Mobike の存続を希望していた。しかしそれと同時に、中国の一スタートアップとして大企業から逃れるのは、いかに困難であるかということも自覚していたという。

Wang 氏は当時のニュースで次のように語っていた。

私の中で、資金調達や買収を重要視したことは一度もありません。

企業の独立性にこだわることが私の基本姿勢でしたが、残念ながら100億米ドルの企業価値がないと、中国では独立性を維持できないのです。

Meituan にとって、この経営陣の変更は長旅のほんの序章にすぎない。

Xing 氏は次のように述べたという。

Mobike とは、Didi Chuxing(滴滴出行)や ofo(小黄車)のような関係を展開したくありません。

別のニュースとして、CEO の直属の部下に当たる Mobike のプレジデントに、Liu Yu(劉禹)氏が就任したと発表。Liu氏はこれまで、Alibabaの言語サービスプラットフォーム「阿里語言」のゼネラルマネージャーを務め、Mobike の特別アドバイザーを兼任していた。

また、Mobike がインテリジェント交通に関する研究所を新しく設立することを公表。同施設は同社のCTO である Joe Xia(夏一平)氏が所長を務める。Meituan のシニアバイスプレジデント Wang Huiwen(王彗文)氏の直属の配下に入る予定だ。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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