
Image credit: Mobingi
クラウド自動化スタートアップの Mobingi は29日、AWS(Amazon Web Services)の費用を組織単位で細分化管理できるツール「Mobingi Ripple」をリリースした。Amazon EC2 リザーブドインスタンス、クレジット、リファンドなど複数のアカウント間でブレンドされてしまう金額を、独自の集計方法により的確に振り分けることが可能。Mobingi では、企業の一契約の中で複数の部署単位でのコスト管理が必要な場合や、MSP(Managed Service Provider)などが顧客のクラウドリソースを預かって運用している場合の顧客単位の料金請求への利用を期待している。
従来、前出したようなコスト管理や請求金額の細分化が必要な場合、AWS から必要となるデータを CSV ダウンロードし、それらを手作業で振り分けて計算する必要があった。Mobingi Ripple を使うことで、この整理算出に必要な作業が自動化され、エンドユーザにはクラウド環境の可視化ツール「Mobingi Wave」のダッシュボードを通じて閲覧してもらうことができる。

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Mobingi Ripple はもともと Mobingi が社内ツールとして開発していたものだが、このツールのことを MSP であるスカイアーチネットワークスの担当者に話したところ、スカイアーチにもエンドユーザ向けに AWS 料金を細分化管理するニーズがあることが判明し、Mobingi Ripple として製品化することが決まった。スカイアーチネットワークスでは、エンドユーザから預かっているリソースとして数百以上の AWS アカウントを管理しており、Mobingi Ripple を導入することで、担当営業の目視確認など従来必要だった作業工数の3分の2を削減できると見積もっている。
Mobingi では今後、ユーザの需要推移を見ながら、GCP(Google Cloud Platform)や Microsoft Azure など他のクラウドサービスへの対応についても検討する。また、年内には、例えば「リザーブドインスタンスをどれだけ契約すれば、より安いコストで運用できるか」など、コスト削減に役立つアドバイスができる機能なども追加実装したいとしている。
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