グローバルソーシングのモンスター・ラボ、バンコクにコワーキングスペースを開設——東南アジア主要都市で地元エコシステムとの関係強化へ

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コワーキングスペースのイメージ(写真はイメージです。実物と異なる場合があります。)
© FLOOAT

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

日本を含む世界各国でアプリ開発のクラウドソーシングを展開するモンスター・ラボは14日、タイのバンコクに新拠点を設立し、コワーキングスペース事業を開始すると発表した。同事業は「Monstar Hub」と名付けられ、東南アジアの主要都市へのコワーキングスペース展開を実施する予定。その第一弾となる「Monstar Hub Bangkok」は、バンコク市内 BTS のアソーク駅周辺に開設される予定だ。

モンスター・ラボは12カ国21都市に開発拠点や営業拠点を有しているが、今回バンコクに開設される拠点は、これらとは性格を異とし、スタートアップ、起業家、エンジニアなどが入居するコワーキングスペースとしての機能が備えられる予定。これまで自身でもバンコク市内でコーワキングスペース「Asiarna Business Center」を運営してきた辺田剛士(へた・たけし)氏が、新事業の責任者に就任する。

辺田氏とモンスター・ラボの創業者で代表の鮄川宏樹(いながわ・ひろき)氏と旧知の間柄で、かねてから機会があれば、一緒に仕事することを誓いあっていたのだという。今回、辺田氏は Asiarna Business Center の運営を共同創業者に託し、自身は Monstar Hub の運営にコミットすることを決断した。

モンスター・ラボは先ごろ、本社を中目黒から恵比寿に移転しており、新天地となった恵比寿オフィスは、オフィスデザイン会社 FLOOAT が内装を設計し、共用スペースにはスイスのメーカー Vitra の家具が用いられている。Monstar Hub Bangkok についても、同様に FLOOAT と Vitra が協力する予定。また、責任者の辺田氏に加え、バンコクを拠点に人材事業「JobTalents」を営む越陽二郎氏が、Monstar Hub Bangkok におけるイベントやコミュニティ運営に協力する予定だ。

辺田氏は、THE BRIDGE とのインタビューで、Monstar Hub Bangkok への抱負を次のように語っている。

タイで IT をやるなら、あるいは、スタートアップをやるなら、ここに登録しておかないと始められないよ、というくらいのコミュニティに育てていきたい。

コワーキングスペースのイメージ(写真はイメージです。実物と異なる場合があります。)
© FLOOAT

実際のところ、バンコク市内のコワーキングスペースは、供給過多の飽和状態と言えるだろう。コンドミニアムなど共有型不動産の一角にコワーキングスペースがあることで、稼働の有無にかかわらず社会的ステイタスが生まれるトレンドがあり、バンコク中心部のショッピングモールのいくつかにも、コワーキングスペースが併設されるようになった。

一方で興味深いのは、タイのスタートアップシーンのことを語るとき、それは、必ずしもタイ人による地元スタートアップのコミュニティを意味するのではない点だ。衣食住が安価で、週末のアトラクションが近かったり、比較的治安が良かったりすることも好影響を及ぼし、年々多数の外国人起業家やエンジニアがバンコクを訪れ、一大コミュニティを形成するまでになった。近日にはブロックチェーン特化コワーキングスペース「ニュートリノ」のバンコク拠点、また、今秋には、タイ版 Station F の異名を持つ True Digital Park のオープンも予定されている。

モンスター・ラボは Monstar Hub Bangkok をコワーキングスペースとして運営しつつ、将来の協業先や潜在的な買収対象となるスタートアップの発見にも生かしたい考えだ。同社ではバンコクに加え、マニラ、ダッカ、ホーチミンシティ、クアラルンプール、ジャカルタなどでのコワーキングスペース開設を展開していくとしている。

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