バイクシェアリングのOfo(小黄車)、中国国外での経営が資金繰り悪化の兆し

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レンタサイクル大手 Ofo(小黄車)の資金繰りの悪化は国内事業だけでなく世界規模の拡大計画に影響を与えているという兆候がますます現れている。困難に直面している同社は、倉庫の中にある自転車の販売を始め、シンガポールにおける運営を縮小していると事情に詳しい人物は TechNode(動点科技)に語った。

情報提供者からのポスターによると、売りに出されている Ofo の自転車はシンガポールのロジスティクス業者 Bok Seng Group が所有する地元の倉庫から新品として販売中だ。TechNode のチームは現地を訪れ、Ofo のロゴが付いている未梱包の自転車が大量に倉庫に収められているのを発見した。

ポスターによれば、これらの自転車は50シンガポールドルもしくは240人民元(約4,000円)の値段がつけられている。本当であれば、自転車の元々の値段である335人民元(約6,000円)と比べて、30%引きで在庫を販売していることになる。Ofo と提携している自転車メーカー Shanghai Phoenix(上海鳳凰)は、同社の2017年第4四半期の会計報告によれば、178万台の自転車をOfoに出荷することで2017年は5億9,672万人民元(約102.5億円)の収益を記録した。これを踏まえるとOfoの自転車1台のコストは335人民元(約6,000円)だ。

Ofo が輸送とロジスティクスに関する料金を支払えなかったために、輸送・ロジスティクスのパートナーらによって今回の件が行われたと同社は返答した。

同社の広報担当者は次のように述べている。

Ofo はシンガポールの運送およびロジティクスの業者と現在進行中のビジネスに関して取り決めをしており、Ofo が適切な額を支払うことで合意しました。関連業者との話し合いを続けていることを考えると、弊社は業者による行動を過度に攻撃的なものだと捉えています。法的手段も検討していますが、同時に、弊社の資産が売りに出されることのないよう、誠意を持って努めています。弊社の観点では、このような販売は現在進行中の商業上の話し合いの完了に際する影響力が無分別に追及されたものでしかありません。この件が裁判所の外で解決することを期待していますが、その間に全ての権利を確保しています。

さらに悪いことには、別の情報源によると、シンガポールの60名のチームメンバーのうち半分近くが削減されたという。この件について直接問い合わせたが返答はなかった。

同社に関する一連の悪いニュースは地元のテックブログ Huxiu(虎嗅)が書いた話から始まった。Ofo はこれらの噂に対して訴訟で対抗したが、現在のケースは同社が資金不足に確実に苦しんでいることを示している。

Huxiu の投稿によれば、Ofo は全海外部門を解体しており、スーパーバイザーの Zhang Yanqi(張厳琪)氏も既に辞任しているという。共同設立者 Yu Xin 氏はシンガポールオフィスからの収益だけでライバル各社を合わせた額よりも多いとし、解体などするわけがないと述べ、噂の内容を否定した

飽和した市場に直面し、Ofo や競合の Mobike(摩拜単車)はより大きな市場を求めて2017年初頭から積極的に国外に進出している。Ofo はアメリカ、イギリス、ロシア、イタリア、オランダなど多くの国でサービス展開しているが、シンガポールは同社にとって最初の、そしておそらくは最良の海外市場となっている。

【原文】

【via Technode】

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