インフキュリオンG、銀行のデジタルトランスフォーメーションを支援する新会社を設立——QRコード決済で引落日を選べる「SLiDE」を来年開始

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インフキュリオン・グループは27日、銀行のデジタルトランスフォーメーションを支援する新会社として、インフキュリオン デジタルを設立したことを明らかにした。同社では、QR コードを用いた銀行のモバイル決済サービスなどと連携し、ユーザが希望に応じて、即時または1週間単位で最大4週間後まで、銀行口座の引き落とし時期を選べる新サービス「SLiDE(スライド)」を提供する。サービス開始時期は2019年1月を予定。

これまで日本のモバイル決済は、ポストペイドおよびプリペイドともに、基盤に NFC および FeliCa を使った非接触型のサービスが主流を占めた。しかし、AliPay(支付宝)や WeChat Pay(微信支付)など QR コード決済サービスは中国で先行しており、これらが主に中国人観光客を対象として日本に進出、日本人を対象としたサービスも準備されつつある。一方、国内プレーヤーでは、LINE Pay が今年6月にローンチし、一定条件下で加盟店向けの手数料を無料化するなど、市場のドミナント獲得に向け攻勢をかけているほか、さらにこの動きを、楽天 Pay や Origami Pay が猛追している。

銀行系に関しては、横浜銀行が先陣を切って、GMO ペイメントゲートウェイ(GMO-PG)と開発した「はま Pay」を昨夏開始したのを皮切りに、今年5月には MUFG、SMFG、みずほ FG の三大フィナンシャルグループが、銀行ユーザを対象とした QR コード決済規格「BankPay」を発表。また、ゆうちょ銀行も GMO-PG と共に「ゆうちょ Pay」を2019年2月に開始することを明らかにしている。

正式には発表されていないが、インフキュリオン デジタルがターゲットとするのは、BankPay に付する付加価値サービスの可能性が高いとみられる。BankPay では、引き落としに使う銀行システムと接続するバックエンドに J デビットのしくみが使われるとみられるが、そのままでは、銀行カードが QR コードにリプレイスされただけのデビットサービスとしてしか機能しないので、中華系 QR コード決済や 新興事業者系 QR コード決済を上回るような、BankPay ならではの付加価値サービスの開発が期待されるところ。前述した「SLiDE」は、その一つとなる可能性がある。

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