ブロックチェーン技術を使って、発明の独自性を判定できるプラットフォーム「Loci」

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Image credit: Loci

これまでブロックチェーンが焦点を当ててきたのは主にフィンテック、仮想通貨、不動産、保険、本人の認証といった分野だった。ところが日々新たな産業部門が分散型台帳技術の利点を活かすようになってきている。

発明分析プラットフォームである Loci は、ある発明が独自のものなのか、それともすでに考案されたものなのかを判別してくれるブロックチェーンベースのソリューションのローンチを本日(7月12日)発表した。

そのアイデアはシンプルなものだ。あなたが数日、あるいは数週間かけて、将来数百万ドルもの利益になるようなスタートアップの案を思いついたとしよう。案は思いついたものの、その発明はすでに考案されたものなのか、市場勢力図はどんなものか、そして自分のソリューションがどれほど新規性あるものなのかが分からないということがある。

Loci では次のようなことができる。自分の発明案を Loci のプラットフォームにインプットして分析してもらい、製品やサービスの分析レポートを受け取るということだ。この分析レポートは、自身のアイデアがどれほど新しく、ユニークなものかを知ることができるスコアを出してくれる。

これは重要なことだ。なぜなら、きちんとした新規性スコアがあれば、高い費用のかかり得る特許申請手続きをするかどうか事前に決める助けになるからだ。

Loci の隠し持つトリックはそれだけにとどまらない。もしあるアイデアに十分な新規性がないことが分析によって分かると、独自性を高めるために言葉遣いやアイデアそれ自体をどのように変えたらよいかのフィードバックを提供してくれる。これにより特許を取得できる可能性も高まる。

発明者は、このプラットフォームを通して自身のアイデアの独自性を見極めた後、そのアイデアをブロックチェーンに託し、仮特許を申請することができる。

Loci のプラットフォームは、様々なデータソースを使って発明の独自性を判定し、スコアを作成する仕組み。

Loci の CTO である Nathan McFarland 氏は次のように語っている。

現時点では、データは特許データベースと、ブロックチェーン上に置かれた私たち独自の発明データベースに由来します。Loci は発明家になりたい人たちの間にあるこうしたニーズを満たそうとしています。Loci Search を通して、私たちは発明家に対し、自身のアイデアが新規で特許取得可能なものなのか十分な情報の下に決断を下せるよう、きちんとした情報を提供することができるのです。

Loci はブロックチェーン上で稼働しているため、独自の関連トークンである LOCICoin も有している。発明者らは LOCICoin を利用して、システムへのアクセス権を購入することができる。アクセスは従来の米ドルを用いても可能だ。

COO の Eric Ross 氏は以下のように話している。

従来の発明者層を、これまでイノベーションのために限られたリソースしか持っていなかった人や、イノベーションへのアクセスを全く持っていなかった人たちにまで広げるという Loci のミッションに従って、私たちはイノベーションへのアクセスをグローバルなスケールで増やすビジネスモデルに取り組んでいます。

製品に一貫して改良を加えることと並んで、私たちのモデルの決定的に重要な点は、究極的には、個人が自分のイノベーションで本当に世界に影響を与えられるようなマーケットプレイスを提供することです。Loci Search と Invention Analysis は、発明者が自分の発明をどうしたらよいのかを見極めるためのものです。実際マーケットプレイスというのは、発明者が自分の発明について行う必要のあることを行う場です。現在サーチプラットフォームへの無料アクセスを提供しています。全ての分析機能を提供するプロバージョンへのアップグレードは月額100LOCICoin または250米ドルです。製品は今後も発展していきますのでご期待ください。

Loci のプラットフォームが発明の独自性を示せることからすると、同プラットフォームがギャップ分析を提供し、どこにニーズが存在するのかを発明者らに示すことができるようになるかもしれないと言っても過言ではない。

McFarland 氏は次のように語っている。

検索結果をベン図と共に示すことで、そうしたことが実現され始めています。私たちの特許分析により、流行や市場の飽和領域を示すデータをより多く提供できるよう努めています。このことは、発明や知的財産、また、ある領域がクリティカルマスに達したと考えるか否かといった問題に関わります。私たちのエコシステムが成長し、より多くのデータが処理されるにつれて、さらに多くの分析を提供できるようになります。

Loci の次のステップは何だろうか。

Loci のビジネス関係部長の Brian Hwang 氏は以下のように語る。

今年の後半、Loci プラットフォームの導入を広め、グローバルな IP エコシステムをこの市場に築くという強い流れがやってくるでしょう。重要なブラットフォーム開発案を考えているだけではなく、Loci が発明者や起業家にとって欠かせないリソースになるよう戦略的イニシアチブを発表する予定です。エキサイティングで新しい戦略的パートナーシップやパイプラインのアップデートも進行中です。

同プラットフォームは本日(7月12日)より Loci のウェブサイトで使用可能である。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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