中国コワーキングスペース界のユニコーンUcommune(優客工場)、上海拠点の同業Workingdomを3億人民元(約50億円)で買収

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Workingdom
Image credit: Workingdom

ofo(小黄車)がインドとオーストラリアから撤退したこともあり、レンタル自転車事業ではシェアリングエコノミーマニアは興ざめしているところだが、コワーキングの分野では野心的な動きがみられる。中国のコワーキングスペース大手で、スタートアップコミュニティサービスプロバイダーでもある Ucommune(優客工場、旧UrWork)は本日(原文掲載日:7月12日)、上海を拠点とするコワーキング企業の Workingdomを3億人民元(約50億円)で買収したと発表した。

2018年に入ってからの Ucommune による買収はこれが初めてではない。同社は現在積極的に買収を行っており、年内はこれが続くとみられる。1月には、コワーキングサービスプロバイダーの New Space(洪泰創新空間)を完全買収した。3月には、中国のコワーキングスペース Woo Space(無界空間)を買収したと発表。同じ月、コミュニティベースのコワーキング兼インキュベーションエンタープライズの Wedo(微度連合創業)を買収。この会社は2017年に Ucommune から資金調達している。Wedo は北京市より、National Innovation Space(衆創空間)の称号を与えられていた。

Ucommune によると、さらなる買収手続きが進行中だが、詳細は明らかにされていない。同社の野望は、市場を積極攻勢で確保し、中国のコワーキング業界のリーダー企業としてこれを統合していくことだとみられている。

競合の WeWork に対する示威行為でもあるようだ。アメリカを拠点とする共有スペースで世界的なリーダー企業の WeWork は今年4月、現地のコワーキングスタートアップ Naked Hub(裸心社)を買収したほか、北京の有名エリアである三里屯に新たなスペースを開設している。

Ucommune の現在の時価総額は110億人民元とみられ、世界中の35都市に160ヶ所のコワーキングサイトを構えている。同社は2017年12月、3億人民元のシリーズCラウンドを完了した。

Ucommune の公式情報によると、今回の買収に関する決定は両社の商業的な機能に加え、リソースが集まり、市場の需要が堅調で安定している中国第一級都市で戦略的な統合を志向したことが影響している。買収完了後、上海だけで20ヶ所超のサイトを確保し、5,000以上のオフィス座席を提供するとみられる。

また、コミュニティ運営、製品デザイン、競争の激しいコワーキングスペースでの浸透を目指す企業文化といった Workingdom の既存インフラを活用したいとしている。

TechNode(動点科技)では、本件に関する詳細について Ucommune に情報提供を求めている。連絡が入り次第、アップデートしていく。

【原文】

【via Technode】

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