Alibaba(阿里巴巴)とStarbucksが提携、配送とビッグデータで中国のコーヒー業界の変革を目指す

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中国のテック大手 Alibaba(阿里巴巴)は Starbucks との提携を発表した。「中国のコーヒー業界を変革する」という。変革に向け両社は、オンラインとオフラインの世界を統合し、消費者を Starbucks と Alibaba のエコシステムに取り込むためにビッグデータを活用する。

中国のメーカーや輸出企業を世界の企業とつなぐオンラインマーケットプレイスという当初の起源からすると、Alibaba はとてつもない進化を遂げた。いまではオンラインリテールの領域で展開しており、Amazon の e コマースやクラウドコンピューティングに競合する性質を備えている。人工知能、モバイル決済、ソーシャルネットワーク、動画ストリーミングなどにもかなり投資している。

簡単に言えば、Alibaba は実に多くの事業に手を出したということだ。

配送

Amazon や Alibaba などテック大手が全体的なリテール体験を獲得し、オフラインとオンラインのギャップを埋め、購入から決済、物流や配送に至るまでの取引に関連するすべてのプロセスを統制しようと全力を尽くしている姿を私たちは目の当たりにしている。そして、Starbucks との新たな提携に力を与えることになるのは、この巨大な技術インフラだ。

Starbucks はこの9月より、Alibaba の食品配送アプリ Ele.me(餓了麼)を活用した配送サービスのパイロット実験を開始する。Ele.me は Alibaba が今年初めに約95億米ドルで買収した会社である。この配送サービスは当初、北京と上海にある150店舗限定で開始されるが、年末までには中国国内にある Starbucks の数千店舗に拡大される計画だ。しかしこの提携は、Ele.me がすでに持つ食品・飲料に Starbucks が加わる以上の意味がある。Ele.me が Starbucks 専用の配送ドライバーを確保するからだ。

インサイト

Alibaba は昨年、最新型のキャッシュレス・スーパーマーケット Hema(盒馬鮮生) を多数開設した。その前年には、同社に投資を行っていた。顧客はこの未来型の店舗内およびオンラインで買い物ができるほか、Alibaba の技術的なインフラサービスを受けられる。この状況ではビッグデータのマイニングだ。つまり、あらゆる購入、決済がデジタル的に追跡され、顧客の嗜好のプロファイルを構築し、関連するレコメンデーションや提案がなされるのだ。

こうした店舗は今後、「Starbucks 配送キッチン」の中心的存在として機能するようにもなる。これにより Hema のフルフィルメント技術を活用でき、Starbucks 店舗を超えた配送の道が開かれる。しかしながら、これは Starbucks が配送市場の可能性を広げる以上の意味がある。Hema の「消費者に関するインサイト」を活用して顧客に「一層浸透し、より良いサービスを提供」できるようにもなるのだ。

Starbucksにとって、どの地域のコーヒー需要が最も旺盛であるかが分かり、どこに従来型の新店舗を開設すればよいかの決定に役立つ。

以上はすべて、オンライン店舗の取り組みで協力するために2015年になされた両社の提携に組み込まれている。昨年には、拡張現実(AR)を活用したリアルのハイテク店舗を上海に開設している。ただ、このような近年の統合の結果、Starbucks は中国での足場を相当の勢いで築く準備ができた。

Starbucks China のCEOである Belinda Wong(王静瑛)氏は、声明の中で次のように述べている。

Alibaba との提携のおかげで、私たちは自宅、オフィス、店舗内、デジタル空間にあるフィジカルとバーチャルの壁を取り払いつつあります。これにより中国は、顧客の生活に占めるあらゆる側面で Starbucks の体験をシームレスに提供できる初めての市場になりました。この市場のユニークさ、戦略的な重大性が表れています。

こうした様々なオフラインとオンラインの糸が絡み合う場所を、同社は「バーチャルな Starbucks 店舗」と呼んでいる。このオンラインハブでは、顧客が「個人仕様のStarbucksデジタル体験」にアクセスすることができる。それにはロイヤルティプログラムや集中化されたプラットフォームがあり、コーヒーの注文や商品の購入、友人へのコーヒーギフト提供などができる。

Starbucks 側のメリット

Starbucks にとって、Alibaba のようなテクノロジー企業大手と手を組むという選択は、中国全土でのスケール達成という意味では当然の成り行きだ。コーヒーチェーンとして中国で支配的な立場にある Starbucks は、反競争的な取引慣行があると非難されるなど競合他社からの脅威を受けていることもあり、それが特に当てはまる。Alibaba にとって今回の動きは、同社が「ニューリテール」と呼ぶ取り組みをさらに前進させることになる。国内で商取引を変革する構想だ。この取り組みは、未来志向のオフライン・オンライン店舗の開設や世界的なコングロマリットとの提携にとどまらない。Alibaba は中小の個人商店とも手を組んでそこにオンラインを導入し、同社のエコシステムに取り込んでいる。

Starbucks を提携相手として確保することは、Alibaba が中国で小売業界を手にするのにいくらか貢献するだろう。

Starbucks の CEO 兼社長の Kevin Johnson 氏は、次のように付け加えている。

当社は他のどの地域よりも中国で早く成長し、かつ革新的になっています。

Alibaba との変革的な提携は、現代的なリテールを再形成することになるほか、中国の消費者の予想を超える取り組みとして画期的なものです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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