今回のラウンドに参加した投資家のうち、コロプラネクストは2016年8月に実施したシリーズ A ラウンド(調達金額非開示、推定数億円程度)、グローバル・ブレインは2017年6月に実施したシリーズ B ラウンド(調達額3億円)の、それぞれにおける唯一投資家だ。2017年10月に実施したラウンド(調達額、調達ラウンドともに非開示)には、ABC ドリームベンチャーズが出資に参加していた。2014年に East Ventures からシードラウンド調達(調達金額非開示)を含めると、外部投資家からの累積調達額は20億円前後に上ると思われる。
Makers Fund は、マッキンゼーでビデオゲームプロジェクトを牽引した Jay Chi 氏と、同じくマッキンゼー出身で Tencent Holdings(騰訊控股)の元シニアディレクター Michael Cheung 氏が設立した1億8,000万米ドル規模のファンドだ。BitStar は今年5月、FUN! JAPANとの事業提携により中華圏・東南アジア市場向けのプロモーションを開始しているが、Makers Fund はさらにこの動きに拍車をかける狙いがあると思われる。
Full Nodeは 、分散型予測市場の構築を目指す Gnosis とブロックチェーンネットワークの構築を目指す Cosmos とが今年4月に共同で立ち上げた、ブロックチェーン特化型コワーキングスペースである。両社ともに、ベルリンにあるイーサリアム開発コワーキングスペース「EthDev」にて活動をしていたが、そこから独立した形となる。
Full Node という名前はブロックチェーンネットワーク上で取引の検証等を行う〝ノード〟に由来しており、そのコンセプトは開発ハブとしてブロックチェーン技術の成熟を目指すことにある。現在の利用社数は両社を含めて22社。その中には上述した Parity や Dfinity、そして先月にマルタ証券取引所と中国大手取引所 Binance(幣安)との提携を発表した Neufund なども名前を連ねている。
Full Node では、冒頭に述べたようなイベントが毎週のように開かれている。施設内の人がスピーカーになることもあれば、外部からゲストを招くこともあると言う。現状は従来のインキュベーション施設のような法務、税務、マーケティングその他専門分野におけるサポート体制はなく、まさに共同開発スペースと呼ぶのがふさわしいかもしれない。