フィリピン拠点のレストラン予約スタートアップBigDish、IPOで180万英ポンド(約2.5億円)を調達しEatigoと直接対決

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Image Credit: BigDish

マニラを拠点とするレストラン予約アプリ BigDish がロンドン証券取引所(LSE)で株式を公開した。

同社は IPO を通じて180万英ポンド(230万米ドル)を調達した。BigDish は新たに調達した資金をブランディングの向上や会社の成長、より多くのレストランとの提携、そしてプラットフォームの技術的強化に活用する予定。

BigDish はレストランのイールドマネジメントに注力している。レストランのオーナーがリソースを最大限に活用し、より多くの利益を得ることができるよう、時間を基に価格を変動させるシステムである。

イールドマネジメントは斬新なコンセプトではない。ホテルや航空業界では何十年も行われている。しかし最近では、顧客がすぐに予約できるモバイルアプリが普及してきたおかげで、レストランもこの流れに乗ろうとしている。

BigDish はフィリピンを拠点として2人のイギリス人、Joost Boer 氏と Aidan Bishop 氏がローンチした。Boer 氏は Bishop 氏と同社を設立する前は、金融マーケットプレイス CompareAsiaGroup のオペレーションマネージャーだった。

Boer 氏は e27の e メールインタビューにこう答えた。

若い頃、レストランで皿洗いの仕事をしていました。金曜の夜はへとへとになるまで働くのですが、火曜の夜はやる仕事がなくてシェフに帰らされることもありました。ある夜にはレストランの前に行列ができ、別の夜は9割の席が空いてるという状況を、レストランの視点から想像してみてください。明らかに非効率的であり、BigDish はこの非効率性に分かりやすいソリューションを提供します。それと、過去の経験から、私が個人的に情熱を傾けている問題でもあります。

BigDish で顧客は総額の10%から50%を節約できる。オフピークや空いている時間には、大きな値引きが割り当てられる。現在提携しているレストランには IHOP、California Pizza Kitchen、Motorino などがある。

2016年の設立から同社は25名のチームにまで成長し、IPO に先駆けて様々なエンジェル投資家から非公開で資金を調達してきた。

LSE で株式を公開するという決断は、「Aidan 氏にはロンドンの資本への伝手があり、イギリスの IPO のプロセスにも詳しかった」ためであると Boer 氏は述べた。またこれにより同社のプラットフォームをイギリス市場に持ち込むこともできる。近いうちにイギリスでもローンチしたいと Boer 氏は語った。

東南アジアではマニラ、ジャカルタ、香港で BigDish が利用できる。同地域内における他の市場への拡大計画は明かされなかった。

東南アジアにおけるレストランのイールドマネジメントセクターはまだ初期段階ではあるが、タイを拠点としフィリピンと香港でサービス展開しているスタートアップ Eatigo との激しい競争に BigDish は直面している。

しかし Eatigo はまだインドネシアに参入していない。そのため BigDish には市場の大部分を掴むための時間がまだ残されている。可能な限り多くのレストランを口説き落とし提携するという競争になるだろう。

【via e27】 @E27co

【原文】

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