財政難に直面していた東南アジアの格安ホテルプロバイダーZEN Rooms、韓国の人気ホテルアプリ「Yanolja(야놀자)」に一部株式を売却

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Zenrooms 共同設立者兼グローバル・マネージングディレクター Nathan Boublil 氏(左), CEO Kiren Tanna 氏(右)
Photo credit: Zen Rooms

格安ホテルネットワークを運営するシンガポールの ZEN Rooms が一部株式を韓国のホテルアプリ「Yanolja(야놀자)」に売却した。金額は1,500万米ドルだ。

この契約では、Yanolja は将来的に ZEN Rooms の100%所有権を取得することも可能となっている。

Yanolja は今回の投資で ZEN Rooms の支配権に必要な持ち分比率を取得する。ZEN Rooms は2015年に設立され、Rocket Internet が後ろ盾だ。同社は昨年のシリーズ A でアメリカを本拠とする VC 企業の Redbadge および SBI Investment Korea から410万米ドルを調達している

2018年3月、TechCrunch は ZEN Roomsは財政難に直面しており、売却するか廃業するか検討中だと報じていた

東南アジアにおいて、同社はインドネシア、タイ、マレーシアにホテルを持ち、ブラジルでも事業を展開している

Yanolja のルーツはラブホテルだ。同社は Lee Su-jin(이수진)氏によって設立された。同氏は長年の業界経験を持ち、その知見を活かして6億2,200万米ドルの企業を育て上げた。Yanolja は韓国語で「さあ、しよう」という意味だ。

同社の謳い文句は、ラブホテルのブランディングをセックスだけのものにとどまらず、家族やビジネス客にも訴求するものにしていくということだ。また、日本の休暇宿泊施設分野への参入を目指し、楽天とも提携している

この取り組みは(セックスを除いた多くの点で)、ZEN Rooms が取り組んできたことと類似している。ZEN Rooms が目指していたものは、清潔さやプロフェッショナリズムという観点で部屋のクオリティが一定の基準を満たしていると、旅行客が不安を感じずに予約できる格安ブランドを創ることだった。

多くの場合、格安ホテルはまともなこともあれば、ただメチャクチャだったりもするが、通常それは部屋に入るまで分からない。ZEN Rooms はどの部屋も同じ品質だと自信を持って予約してもらえることで成り立っていた。

Yanolja のチーフ・ビジネス・オフィサーである Kim Jong-yoon(김종윤)氏は、このディールの狙いは経済成長を遂げる東南アジアに進出することだったと Bloomberg に語った。東南アジアの人々は頻繁に国内外で旅行するようになってきており、そのニーズに応えるアプリの需要があると同氏は話す。同氏は Yanolja と ZEN Rooms のタイアップがその目標達成に向けた一手となることを期待している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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