AIでニュースを収集・配信するSpectee、9月にも北米市場に進出へ【ゲスト寄稿】

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


Spectee の紹介をする CEO 村上建治郎氏(OrangeFab Asia のミートアップで)
Image credit: “Tex” Pomeroy

先ごろ OrangeFab Asia が東京で開催した、同社がアジアにおけるアクセラレーションプログラムを紹介するミートアップで、アマチュア撮影によるニュースフィード会社 Spectee は、9月から海外進出を開始することを明らかにした。進出先は、同社にとって最大市場であるアメリカになりそうだ。Spectee の創業者兼 CEO 村上建治郎氏は、Spectee を始める前(設立時の社名は、ユークリッドラボ)、あるシリコンバレーの大手企業に勤務していた。

東京を拠点とする Spectee は、ヨーロッパのテレコム企業 Orange が運営するアクセラレータの(日本・韓国・台湾をカバーした)第2期の卒業生だ。Spectee は北米地域での事業参入を記念すべく、来月テキサス州オースティンで開かれるカンファレンスでサービスを披露する予定。Spectee にとって、北米地域に本拠を置く競合サービスは少なくない。

Spectee は画像データに関わる著作権管理問題を取り扱うだけでなく、必要なデータを検索・マッチさせるのに人工知能を取り入れている。2020年までに、インターネットはサイバースペース上に約44ゼタバイトの情報を擁するまでに成長し、このデータ量は一人の人間脳の能力を超えるものになる。

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Spectee は、同社の映像ニュースフィードネットワークを普及させるべく、AP 通信などの通信社と協業している。10年未満の社歴の浅いスタートアップには稀なことだが、Spectee のシステムは複数の特許により守られており、ニュース分野以外の新領域へも適用範囲を広げつつある。

Spectee の登壇に加え、OrangeFab はこれまでの実績を紹介し、次期プログラムへの起業家からの申込募集の用意が整ったことを発表した。また、OrangeFab のミートアップに利用されている会場「docks」について、それを運営する creww が説明をした。docks は、東京中心部に存在し、東京タワーにも近いオープンイノベーション・インキュベーション・コワーキングスペースだ。

先月初め、NewsPicks を提供しアメリカのダウ・ジョーンズと提携するユーザベースは、デジタルに特化したビジネスニュースサービス「Quartz」を Atlantic Media から買収することを発表した。数ヶ月を要するアメリカ政府の承認がスムーズに進めば、ユーザベースが新しい Quartz の提供会社になると考えられる。

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